「心痛む」柏市長が弔意 福田村事件に市議会答弁で

関東大震災直後の1923年9月に福田村(現野田市)で香川県の行商団9人が同村と田中村(現柏市)の自警団に虐殺された福田村事件について、柏市の太田和美市長は21日、開会中の市議会定例会の答弁で「亡くなった命の尊さを思うと誠に心が痛む」と哀悼の気持ちを示した。市が議会で犠牲者らに弔意を示すのは初めてとみられるという。
今年で100年となった同事件について「二度とあってはならない」とした上で、「震災後の社会混乱の中、朝鮮人差別、職業差別、部落差別などを背景に複合的要因により発生した」との見方を示した。
今後の同事件の伝承については、広報部長が「事件から100年経った今なお、配慮する点がある」と述べるにとどめた。