女優の芳本美代子(54)が、今年4月から大阪芸大短期大学部教授に就任して教べんを執っていることが25日、スポーツ報知のインタビューで明らかになった。主演舞台「あこのありが豆腐」(29日~10月2日まで、東京・築地本願寺ブディストホール)を控える中、教壇に立つ芳本が、教授としての日々や舞台への意気込みを語った。(増田 寛)
アイドル、歌手、女優、舞台演出家、YouTuber―。マルチに活躍を続ける芳本が、教べんを執っていた。
「驚きますよね? 私も驚きました。本当に私で良いのって? でも、もうすぐ芸能活動40周年を迎えるので、頑張りが認められた感じがうれしかった。だから引き受けました」
2018年から同大で教授を務める俳優の加納竜(67)から2年前に誘いを受けた。突然のオファーに戸惑いもあったが快諾。メディア・芸術学科舞台芸術コースで、毎週水曜日90分2コマ、演技基礎を1年生29人を前に実技中心の講義を行っている。
06年から舞台演出家としても活動し、ワークショップで若手育成に携わってきた実績もある芳本は、台本の読み方や姿勢、舞台上での立ち居振る舞いなどの基礎を実演形式で教える。
「受講する生徒は役者の卵ではない。劇団の後輩なら厳しいことも言うけど、役者になるか分からない生徒や、裏方として働きたい生徒もいるなか、向き合い方が難しい。でも、素直な生徒が多くて、講義を受けて『声の通りが良くなった』と反響を聞くとうれしい」
1985年にアイドル歌手としてデビュー。「みっちょん」の愛称で親しまれてきた。ただ、平成生まれの“Z世代生徒”からの認知度は「0%です。サイン? 求められませんよ」と苦笑い。
「生徒が親御さんに私のことを話すと『えっ!?』と驚かれるようです。オープンキャンパスでは(生徒の親から)握手を求められました(笑い)」
29日からは主演舞台も始まる。今も都内で現役の豆腐の引き売り屋・菅谷晃子さんをもとにしたヒューマン作品。座長と教授という“二刀流”だが、「立場が全く異なる」という。
「出演者は尋ねる側、教授は尋ねられる側で、全く違う。教授は演出家の方に近い。教授という立場がこれからどのように自分の芝居に影響するのかは未知数」
舞台は東京、授業は関西。授業時間よりも通勤時間の方が長く、苦労もあるが、教授としての楽しみに胸を躍らせてもいる。
「今の生徒の中から役者に興味を持って、共演してくれる子が出たら喜ばしいこと。これからも教授を続けたい。私の舞台を自主的に見に来てくれる生徒がいたらうれしいなぁ」
◆大阪芸大短期大学部 1945年に創設された平野英学塾を起源とし、54年に浪速短期大学、2000年に現在の大阪芸術大学短期大学部に校名変更。芳本の在籍するメディア・芸術学科では、さまざまな情報を発信できる人材の育成を目標とする。大阪と、芳本の通う兵庫・伊丹キャンパスがある。同短大OBはシンガー・ソングライターの大塚愛(41)、声優・豊崎愛生(36)ら。
◆芳本 美代子(よしもと・みよこ)1969年3月18日、山口県宇部市生まれ。54歳。85年3月「白いバスケット・シューズ」で歌手デビュー。同年「雨のハイスクール」で日本レコード大賞新人賞受賞。以後、TBS系「ママまっしぐら!」など女優として活躍。96年に俳優・金山一彦と結婚したが、2013年に離婚。16年に一般男性と再婚。17年に事務所を独立。身長159センチ、血液型B。