SBクリエイティブは、このほど『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』(990円/星 友啓著)を発売した。2020年に全米の大学進学校1位に輝いた「スタンフォードオンラインハイスクール」。本書は同校の校長が、最新の脳科学や心理学に裏打ちされた子育てメソッドから、家庭でも実践できるものを紹介している。
著者は、スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長であり、哲学博士でもある星 友啓氏。現職の傍ら、哲学、論理学、リーダーシップの講義活動や、米国、アジアにむけて教育および教育関連テクノロジー(EdTech)のコンサルティングにも取り組んでいるという。
今回は同書の中から、「子どもの脳を育てる最もシンプルで最も効果的な方法」についてを抜粋。みなさんは、この方法ができているだろうか。ぜひチェックしてみてほしい。
○■子どもの脳を育てる最もシンプルで最も効果的な方法
暴力や暴言はダメなのはわかるし、いろいろとやり過ぎてもダメ。だからといって、放っておいたら育児放棄で虐待と同じぐらい悪影響……。
では反対に、積極的にやるべきことは何か? この問いに、本書では、さまざまな角度から迫っていきます。まずは、最もシンプルで効果的、かつ子育ての基本となる方法をご紹介しましょう。
ハーバード大学の「子どもの発達センター」が推奨する「サーブ&リターン(Serve & Return)」という子育て習慣です。
最初のステップは「サーブ」から。テニスでいうところの、ボールの1打目のイメージです。
たとえば、赤ちゃんが「バブバブ」と声を出したり、手足を動かしたりしているのも全て赤ちゃんからの「サーブ」と解釈されます。そして、親が「リターン」を返します。つまり、なんらかの反応を示すということです。
たとえば、話しかけたり、なでたり、笑顔を返したり。非常にシンプルな習慣ですが、そうした「サーブ」と「リターン」のやりとりが、子どもの認知能力やコミュニケーション能力の発達に欠かせないことがわかってきています。
したがって親として第一に大切なのは、子どもからの「サーブ」に目を凝らして、しっかり「リターン」を返すことなのです。「サーブ」に気づかなかったり、無視したり、身勝手に返したり返さなかったりすると、子どもの脳の自然な発達をベストにサポートすることができません。
そして、「サーブ&リターン」は、赤ちゃんよりも大きくなった子どもたちにも重要です。年齢にかかわらず、子どもたちの問いかけや表情、ジェスチャーに対して常に「リターン」を返すという、いわば「子育ての基本」を忠実に守ることこそが、子どもの自然な脳の成長をサポートするためのシンプルな近道なのです。
○書籍『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)
同書では、本稿で紹介した以外にも科学的エビデンスに基づいた子育てについて解説。気になる方は、ぜひ本を手に取ってみてはいかがだろう。