『姉は苦しくない時に「死ぬ」と言わない』入管施設で死亡のウィシュマさん裁判 国提出の意見書に遺族反論

2021年3月、名古屋の入管施設で死亡したスリランカ人女性の遺族が国に損害賠償を求めている裁判で、国側が提出した医師の意見書について遺族が法廷で反論しました。
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この裁判は2021年3月、名古屋の入管施設でスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡したのは入管が必要な医療を提供しなかったことが原因だとして、遺族が国に約1億5600万円の損害賠償を求めているものです。

27日の裁判では、国側が提出した医師の意見書を受けて遺族が意見を述べました。意見書では、ウィシュマさんが亡くなる11日前に、「私、今日夜、死ぬ。絶対死ぬ」と繰り返し言っていたことについて、『過去の検査や診察で異常がなかったなどという前提の情報があれば「看守勤務者の注目を集めるためのもの」、あるいは、「ストレスを始めとする精神的なものに 起因しているのでは」と看守勤務者が受け止めたとしても不思議ではない』と書かれています。
これに対し、妹のワヨミさんは『大きなショックを受けました。私の姉はなぜ、苦しんで死んだ後にまで、こんなひどい言われ方をしなければならないのでしょうか?姉は苦しくない時に「死ぬ」と言ったり、大げさに苦しんでみせるような人間では決してありませんでした』と述べました。

裁判後の会見では妹のポールニマさんが「大げさに見せていたら、姉は死なない。でも、姉は死んでしまった。それは入管が適切な医療を施さなかったから」と改めて強く訴えました。
次の裁判は11月29日に開かれる予定です。