コミケ待機列も「貴重な資料」になる… ラノベ作家のユニークすぎる分析が話題に

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オタクの祭典コミックマーケット、通称コミケ──。そんなコミケ入場のための「待機列」が、一部クリエイターの重要な資料になっているとネットで話題に。一体、どういうことなのか…。
「戦記物を描いてると『数千~1万の人間が規則正しく整列している風景』の描写が良く必要になるんですけども 下手に軍人が整列してる画像を探すより、コミケの待機列を参考資料にした方が多角的だし何よりサンプルが豊富だと気付きましたの」と投稿し、話題を呼んでいるのは、X(旧・Twitter)ユーザーの村井啓さん。
コミケ名物といえば、イベント当日早朝から形成される会場入りのための一般待機列。数万人にも及ぶファンたちが、時には隣駅に接近するほど恐ろしい長さの列を作る。参加者自身の規律や、運営スタッフの的確な指示も伴って、その列は非常に統率がとれており、上から眺めるとじつに壮観。…戦記物の描写に役立つのもよく理解できる。
戦記物を描いてると
「数千~1万の人間が規則正しく整列している風景」
の描写が良く必要になるんですけども下手に軍人が整列してる画像を探すより、コミケの待機列を参考資料にした方が多角的だし何よりサンプルが豊富だと気付きましたの pic.twitter.com/0YF3MTWGvI
村井 啓@砲兵令嬢戦記(書籍化/コミカライズ決定!) (@canon_redy) September 7, 2023
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コミケ待機列と軍隊の陣を重ね合わせた今回の投稿。意外な視点に共感する声が多く、「槍と盾を持たせて突撃させましょう」「やはりコミケは有能か」「コミケは戦場だった」「歴戦の猛者共だ。面構えが違う」などと反響が。
また、「『徴兵されて集められた普段は農民やってるほぼ一般人』が大多数だったりする場合、コミケを参考にするのはかなり的確だと思う」と納得している声も多かった。
記者は、独特な視点をバズらせた投稿者・村井さんを取材した!
村井さんは主に戦記物小説を書いている小説家。戦記物に軍団は付き物だが、本人は執筆時に資料探しに苦戦していたらしい。
「一万人規模の軍人が整列している写真の収集が中々難しく、映画等でもCGで済まされる事が多い為、資料探しに難儀しておりました」(村井さん)。
そんな時に役立ったのが、村井さんも何度か参加したことのあるコミケで観たあの光景だった。
「『コミケの待機列は軍隊並にしっかりしてたな…』とふと思い付いた次第です」(村井さん)。
具体的に、どんな作品を描く際に役立ったのか?
「今執筆中の戦記物『カノン・レディ』は、近世末期の戦列歩兵戦を扱ったストーリー。密集陣形を描く上でコミケの待機列は大変参考になりました」と村井さん。「実際に並んでいる人が撮った一人称の風景に加え、列に並んだ感想等もネットで拾う事が出来るので、拙作に登場する兵士の苦労をよりリアルに描写するのにも大変役立ちました」(村井さん)。
兵士=コミケ参加者と捉えて心情を描くとは、非常にユニークながら村井さんの深いリスペクトと愛も感じる。
ちなみに同著『カノン・レディ~砲兵令嬢戦記~』は一二三書房のライトノベルとして2023年中に発売予定となっている。コミケの隊列がどのように作品に活かされているか、気になる方はぜひ手に取ってみてほしい。