「TikTokで出店」持ち掛けられ振り込む…保育園運営法人の前理事長が2億4千万円余りを横領 園の積立金等

愛知県瀬戸市で保育園を運営する法人の前理事長が、積立金など2億4000万円余りを横領していました。キッカケは、TikTokでもちかけられた「架空」の投資話でした。

瀬戸市内で3つの保育園を運営する社会福祉法人「菱野団地子どもセンター」。運営する園の1つ、昭和51年に開園した萩山保育園は、将来の建て替えや修理のため資金を積み立てていましたが、前理事長の男性(64)が積立金など約2億4700万円を横領していたことが分かりました。

前理事長の妻で、現在の理事長をつとめる森田洋子理事長によると、横領した積立金や自らの貯金を取り崩し、複数の口座に振り込んでいたといいます。

森田洋子理事長:
「(前理事長は)言われた金額を送金すれば、元々のお金が全て返ってくると信じておりましたので。当面の間は大きな修繕は見送る必要があるかなと思っております」

振り込みは全部で30回で、最初は数十万円だったものが、多い時には1度に5000万円以上を振り込んでいて、総額は3億5100万円余りに上ります。

振り込んだ理由については、SNSで知り合った相手にTikTokで出店することを持ちかけられ、開店資金やトラブル対応などとして次々と請求を受けたといいます。

森田洋子理事長:
「TikTokでお店を出すということで、初めは自分の資金だけでやっていたんですが、何かしらのトラブルというかエラーが発生して、そのエラーを解消するためにいくらかのお金を振り込みなさいという指示が出た」

前理事長は、責任を取り2023年8月に辞任し、9月30日に警察へ出頭したといいます。

前理事長について近所の人に話を聞くと、「ゴミ出しの時に挨拶もきちっとしてすごくいい方」「びっくりしている」などという評判の一方で…

森田洋子理事長:
「8月ぐらいに入ってからですかね、結構しつこくお金の話とか、人が変わったようになったかなと思っております。もうその事しか頭になかったくらいで」

園から横領された金額は約2億4700万円。保育園の運営は今後も継続できるとしていますが、運営にあたっては瀬戸市からも委託料などとして2022年度に約2億4000万円が支払われています。

瀬戸市民:
「子供たちが今後使っていくので、許せないですけどね」

別の瀬戸市民:
「できれば保育園のために使ってくれたらよかった」

法人は前理事長を業務上横領の疑いで近く刑事告訴するほか、瀬戸市も今週中に刑事告発する方針です。