親知らずからの細菌感染で命を落としかけた女性 インフルエンザと診断され…

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発熱症状のあった女性が、初診でインフルエンザと診断された。ところがその後、放っておいては危険な珍しい細菌感染だったことが判明した。『Mirror』がレポートしている。
ケイトリンさんという女性(23)が体調不良で医師の診療を受診し、発熱などの症状からインフルエンザだと診断された。数日たっても体調はすぐれないままだったが、友人たちと夕食を楽しんだ。
夕食を終えてしばらくすると、ケイトリンさんは急激に疲れが押し寄せるような感覚に襲われ、舌が腫れ始めたという。
自分で舌を噛んでしまったのだと思ったが、舌の腫れは徐々にひどくなり気管をふさぎ始めた。息苦しくなり、話すことも難しくなったケイトリンさんは救急車を呼んだ。
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救急車が到着したころには、ケイトリンさんの症状はさらに悪化。肌には赤や青の斑点が現れ始め、意識が遠のいていった。
救急隊は、なんらかのアレルギーによるアナフィラキシーショックだと判断。意識が朦朧とするケイトリンさんを呼吸器につないだ。
医師たちはショック反応を緩和するアドレナリンとステロイドを投与したが、症状は回復せず、ケイトリンさんの舌はどんどん黒くなっていく。
そのため医師たちは舌が壊死している可能性を踏まえ、切除を検討し始めていたという。
結局、ケイトリンさんはアナフィラキシーショックではなく、細菌感染による敗血症だと判明した。細菌に感染した親知らずが埋没しており、ここから口腔や首筋にかけて菌が広まったのだという。
さらに、感染症がさまざまな体への反応を引き起こしたことで制御不能になり、臓器などをシャットダウンする敗血症が進行していたのだ。
敗血症は急性多臓器不全を引き起こすこともあり、障害が残るケースや死に至らしめるケースもある。
ケイトリンさんは昏睡状態の中で親知らずを抜かれ、気道確保のドレーンが装着された。術後にすべての経過を知らされ、驚いたという。
舌の一部が感染により破損したため、舌足らずの喋り方になってしまったことに加え、昏睡状態の副作用によく見られる断片的な記憶障害も残ったそうだ。
友人たちは、ディズニー映画『ファインディング・ドリー』の忘れん坊でキュートなキャラクターに見立てて、ケイトリンさんのことを「ドリー」と呼んで応援している。
当のケイトリンさんは、「今でも再発の恐怖に苛まれることがある」と心配を隠し切れない。しかし「敗血症への意識を高めることをミッションにしている」と発言している。