去年、火災により死亡した人のうち7割以上が65歳以上の高齢者でした。こうした中、新潟市の消防署で4日、消防隊員が重りやヘッドフォンを身につけ、救出される高齢者側を体験する研修会が開かれました。
救助されているのは、普段救助する側の消防隊員です。新潟市南消防署で4日、高齢者体験研修会が開かれました。
去年、県内で発生した火災による死者のうち、高齢者の占める割合は71.4%に上りました。こうした中、高齢者に対する理解を深めようと、隊員たちは身体に重りやヘッドフォンをつけて高齢者の感覚を体験。
階段を降りて避難しようとしますが…
【高齢者を体験する隊員】
「膝が曲がらないのが、いつもと違って上り下りが困難でした」
「耳が聞こえないというのと、目が見えないというのが、1番恐怖心ありました」
山中麻央アナウンサーも重りなどを装着し、身体の変化を体感すると…
【山中麻央アナウンサー】
「ヘッドフォンをつけた瞬間に世界の音が遠くなった気がする。腕も足も曲がりづらいので、体の自由がきかなくなったのが恐ろしい」
また、視界が悪い状態で階段を降りてみますが…
【山中麻央アナウンサー】
「自分ひとりで降りるとなると、どこで階段が終わるかも分からないですし、恐怖を感じる。どなたかに介助してもらわないと避難するのは難しいと思った」
そのほかにも、車いすに乗りながら階段を上ろうとすると、急な角度がつくことを実感していました。また、車いすに乗った高齢者を安心させるべく、声をかけながら運ぶ訓練も。
【消防隊員】
「きょう経験して、実際に怖かったと思いましたし、不安になると思うので声がけをしっかりして、少しでも恐怖を取り除いて安心に活動して助けてあげたいと思いました」
高齢者と同じ感覚を体験することで、隊員たちは声掛けの重要性などを学んでいました。