いすみ鉄道の国吉駅(いすみ市)で、退役後に動体保存中(走れる状態)のレトロ車両「キハ28」を活用するため、クレーン車でつり上げて前後の向きを180度回転させる作業が行われた。今後は、同駅の「運転体験線」を舞台に“第二の人生”へと走り出す。
「キハ28」は1964年製。レストラン列車に使用されるなど人気だったが、昨年11月に定期運行を終えて同駅に保存されている。運転台が片側のみで、大原駅方面を向いており、運転体験線への投入などには向きを変える必要があった。
国吉駅には、いすみ鉄道前身の国鉄木原線で走っていたレトロ車両「キハ30」がすでに運転体験線で動体保存されており、今回の「キハ28」と連結して運転体験などのイベントで活用することになった。同駅に「キハ28」の保存施設を整備する予定もあるという。
作業では、まず、クレーン車2台で車両を持ち上げて、駅前の駐車場に仮置き。運転体験線で、列車が大多喜駅方向に向かうように台車を置き、再びクレーン車2台で車両を持ち上げて乗せた。
同鉄道の古竹孝一社長は「レトロ車両を残して鉄道ファンに愛されるようにしつつ、列車の安全運行に努めたい」とコメントした。