前人未到の八冠がかかる藤井聡太七冠は10月6日、新たな防衛戦の竜王戦がスタートしました。相手の伊藤匠七段はタイトル初挑戦ですが、藤井七冠を「最後に泣かせた相手」といわれる同学年の棋士です。 八冠に挑戦中の藤井聡太七冠。王座戦の合間を縫って、将棋界最高峰のタイトル・竜王の防衛戦が始まりました。相手の伊藤匠七段(20)は、藤井七冠と同学年です。
振り駒の結果、伊藤七段の先手に。ハイペースで進み、1日目の午前から激しい展開となりました。 伊藤七段がプロになったのは3年前、18歳の時です。藤井七冠より誕生日が遅いこともあり、当時の「最年少」プロ棋士となりました。
伊藤新四段(当時):「趣味は野球観戦ぐらいで、少ないです。中日ファンなんですけど、両親が名古屋出身ということもあって」 実は2人は、幼いころから互いを知る存在です。小学3年生の時にあった大会では、藤井七冠が「3位」、伊藤七段が「2位」でした。
伊藤七段は、藤井七冠を最後に“泣かせた”相手としても知られています。伊藤新四段(当時):「何となく親とかから当時の話を聞くことはありますけれど、あまり自分の記憶には残っていないです。今はだいぶ差をつけられてしまっているので、少しでも近づけたらと思います」 その当時、藤井七冠はタイトルを2つ獲得し、すでに雲の上の存在となっていました。
伊藤七段は、プロ入り後に3年連続で勝率7割を超える活躍を見せていて、竜王戦の予選にあたるランキング戦でも、2期連続で優勝しています。伊藤七段:「藤井竜王とのタイトル戦ということで感慨深いものはありますが、私自身はあまり話すことが得意ではありませんので、気持ちを明日からの対局で盤上で表現していけたらと思っております」藤井七冠:「伊藤七段とは同い年なんで…、あっすみません、同い年ではなくて今は私が1歳上ですけども(笑)。同学年ではあるんですけども、それほど対戦の機会は多くありませんでしたので、今回この竜王戦という素晴らしい舞台で対戦できることを、私自身もとても楽しみにしています」
対局は両者互角のまま、間もなく封じ手となります。