ワークポートは10月5日、「男性の育休に対する意識」についてのアンケート調査の結果を発表した。同調査は、2023年9月21日~9月27日の期間、全国の20代~40代の男性ビジネスパーソン270人を対象に実施したもの。
昨年10月、男性が育休を取得しやすくするための法改正として、「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」が施行された。この産後パパ育休制度を知っているか聞いたところ、「言葉も意味も知っている」が47.0%、「意味は知らないが見聞きした」が28.5%と、理解の有無に関わらず制度を「知っている」人は75.5%となった。
1年前の調査では男性の認知度は63.2%だったことから、認知度としてはやや増加していた。また、意味まで理解している人が半数近くにのぼったことから、制度に関する理解も徐々に浸透しつつある様子がうかがえた。
次に、これまで育休を取ったことはあるか聞いたところ、「ある」とする回答は9.6%と全体の1割程度に留まり、育休の取得経験は「ない」男性がほとんどを占めた。
育休を取ったことがあると回答した男性に取得理由を聞いたところ、「妻の負担軽減と子供の成長を見守りたかったため」「育児に参加したかったため」など、パートナーの負担軽減や育児に積極的に取り組むことを目的とした意見が多く寄せられた。
続いて、前出の回答者に育休を取って良かったと思うか聞いたところ、育休の取得経験がある男性の全員が「そう思う」と回答した。さらに、そのうち約9割の人が「かなりそう思う」と強い満足感を示した。
育休を取って良かったと感じる理由を聞いたところ、「子どもたちの貴重な瞬間を共有できたから」など貴重な乳児期の子供の成長に立ち会えたことを喜ぶ意見が中心となった。また、育児の大変さを実感できたとする意見も多くあがった。
育休を取ったことがない男性に状況を聞いたところ、「子供がいたけど取らなかった」人が42.9%と半数近くにのぼった。
理由を聞いたところ、制度や環境が整っていないことが原因で育休を取りたくても取れなかったとする意見が大半を占めた。その他には、経済面がネックになったとする意見や、あえて育休を取らなかったとする意見も寄せられた。
男性も積極的に育休を取るべきだと思うか聞いたところ、「かなりそう思う」(59.3%)、「ややそう思う」(31.1%)が合わせて90.4%と9割を超えた。男性ビジネスパーソンの大部分が、男性も積極的に育休を取るべきという考えを持っているよう。
男性も積極的に育休を取るべきと回答した人にその理由を聞いたところ、「育児は一人でするものではなく、夫婦で協力して行うものであるため」など、男性も育児をするのが当たり前とする意見が多くあがった。
続いて、職場は男性も育休を取りやすい環境だと思うか聞いたところ、「まったくそう思わない」(38.1%)、「あまりそう思わない」(24.8%)が合わせて62.9%と半数を超えた。ちなみに1年前の調査では 61.3%だったことから、産後パパ育休制度の施行から1年経った今も職場環境はあまり変化していなかった。
職場で育休を取りにくいと回答した人にその理由を聞いたところ、「制度も前例もないため」といった、制度や環境の不備、人手不足、古い体質などの多くの課題が浮き彫りになった。