パリッコのおつまみ革命 第31回 豆腐一丁丸々どーん! 松屋インスパイア「豆腐一丁麻婆豆腐」が“ひき肉マシマシ麻婆”でビールが進むぞ

人気飲食チェーン店の「松屋」に「富士山豆腐の本格麻婆めし」というメニューがあります。

これが、どんぶりめしの上に豆腐一丁がどーんとのり、そこに麻婆風ソースがたっぷりかけてあるという、ありそうでなかった斬新な一品。

豆腐好きとして一度は試してみないとなと、以前食べにいってみたところ、これが個人的に大ヒット! 濃厚なソースとごはんの相性はもちろん、ひと口ごとに好きな分量で食べられる豆腐の存在感が、ものすごくしっかりと感じられるんです。

当然、豆腐の中心部まで味が染みているということはなくて、なかは真っ白なんですが、よく考えたら麻婆豆腐って、ぐつぐつと煮込んで豆腐に味を染み込ませる料理じゃないですもんね。全然あり! というか、この新感覚の美味しさ、完全に盲点だったな~。

となれば家で作る麻婆豆腐も、このスタイルを取り入れてみてもいいんじゃないでしょうか? いつも通り作るよりも絶対に簡単だし。
○レンチンした豆腐にソースをかけるだけ

では今日も作っていきましょう。もちろん、とことん手抜きなスタイルで。そこで、麻婆ソースは市販の「素」を使っちゃいましょう。ただしそこにたっぷりのひき肉を加え、よりつまみ力を増してあげることにしましょうか。

このとき、味を見て、ひき肉を増したぶん味が薄くなっていると感じるようなら、塩や醤油などで味を調整してください。

そうしたら、豆腐を用意しましょう。僕は麻婆豆腐には絹派ですが、そのあたりはお好みで。ちなみに、豆腐一丁の重さって厳密に決まっているわけではなくて、各お店やメーカーが作っているひとつぶんをそう呼ぶんだそうです。ここは迫力を出すためにも、なるべく大きめのものを選びたいところですね。

豆腐一丁をそのまま大きめのお皿にのせ、ラップをかけて熱々になるまでレンチンしましょう。

お皿にけっこう水気が出ますので、それをキッチンペーパーなどで拭き、あとはさっきのソースをかけるだけ。刻みねぎなどを添えるとなお良し。

まずはひき肉たっぷりのソースが満足感たっぷりで、それを純白の豆腐と合わせて食べると、なんともいえない相性にうっとり。これはもう、ビールにばっちりです!

○【材料】

・豆腐(絹でも木綿でも好みのものを):1丁
・ひき肉(牛、豚、あいびき、好みのものを):好きなだけ
・にんにく:好きなだけ
・麻婆豆腐の素(好みのものを):1袋
○【作りかた】

1.フライパンでたっぷりのひき肉、刻んだにんにくを炒める。
2.そこに市販の麻婆豆腐の素を加える。必要であれば塩や醤油で味を整える。
3.豆腐1丁にラップをかけてレンチンし、出た水気は拭いておく。
4.豆腐に麻婆ソースをかける。

パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら