「将棋は自分の一部…」史上最年少の14歳2か月でプロ入り 藤井聡太八冠誕生までの道のり

とうとう21歳の天才が新たな歴史を作りました!10月11日、愛知県瀬戸市出身の藤井聡太七冠(21)が王座戦五番勝負第4局で勝利して八冠を達成、8つのタイトルを独占しました。
「将棋は自分の一部…」史上最年少の14歳2か月でプロ入り 藤…の画像はこちら >>
10月11日、京都市で行われた王座戦第4局。午後8時59分、新たな歴史が開かれた瞬間でした。(永瀬拓矢前王座)「参りました…」愛知県瀬戸市出身の21歳、藤井聡太七七冠が永瀬拓矢王座(31)を破り、“八冠”となったのです。
(藤井聡太八冠)「タイトル戦の結果は良かったのではないか。ただそれに見合った力があるかというと、まだまだなのかなぁ」
CBC
名古屋駅前で配られた号外には人が群がりました。(号外を手にした人)「藤井八冠おめでとうございます」「同世代の星ですね」「将棋に詳しくないですけれど。みんなで熱くなりました」
CBC
CBC
12時間にわたって行われた歴史的な一戦…終盤は劇的な展開でした。
(実況解説)「これ終わらないよ。徹夜だ。徹夜徹夜」膠着状態かと思いきや。持ち時間を使い切り劣勢の藤井七冠が汗を拭う姿や、永瀬王座が頭をかきむしる場面も。21歳の天才、藤井聡太が八冠を達成するまでを追いました。
(当時14歳の藤井八冠 2016年)「毎日将棋をしてきたので、将棋は体の一部」史上最年少の14歳2か月でプロ入りした藤井八冠。(当時14歳の藤井四段2016年)「東海地区にタイトルを持って帰る。それを一刻も早く実現できるように、日々精進していきたいと思います」
CBC
その言葉通り、プロ入り4年後の2020年に「棋聖」、「王位」のタイトルを獲得しました。その後も「叡王」、「竜王」、「王将」と、10代で五冠を達成しました。ことしに入って「棋王」、そして念願の「名人」も獲得。プロ入り後たった7年間で、7つのタイトルを手中にした藤井七冠。残るタイトルは「王座」。藤井七冠は、2勝1敗と王手をかけた状態で、11日の王座戦第4局に臨みました。
CBC
対戦する永瀬王座は、藤井七冠がプロ入りして以来、練習将棋で対局を重ねてきた、いわば「パートナー」。今回防衛すれば史上3人目の「名誉王座」の永世称号を獲得することもあり、この第4局で2勝2敗のタイに戻して最終局まで持ち込みたいところです。(前夜祭での永瀬前王座)「実績と勢いと実力を兼ね備えている藤井七冠で、とても厳しいとは思うが、良い将棋をお見せできれば」(前夜祭での藤井八冠)「少しでも成長したところを見せられれば」
CBC
京都の会場には世紀の一戦を見届けようと180人のファンが。(神戸から来たファン)「今ちょっと(藤井七冠が)時間を使っているので、電車の中でも心臓が痛い思いをしながら来た。親戚の子か孫のような」「今まで逆転というか、最後の最後でひっくり返しているので、きょうもそういうことがあるのではと期待している」
CBC
藤井聡太七冠にネクタイをプレゼントした、熱狂的ファンの女性“将棋マダム”も観戦に。(将棋マダム)「永瀬先生がすごく粘ると思うので、泊まりの宿を用意してきた。応援しているとドキドキする」
CBC
日本中が固唾をのんで見守った対局…中盤はやや藤井七冠が押され気味に。
師匠の杉本昌隆八段は11日、CBCテレビ「チャント!」の生放送で。(師匠 杉本八段)「永瀬王座のぺースに突っ込んでいる印象。ただ、将棋というのは“逆転”の競技で一気に8、9点捕ることもある。長引くと思います」
CBC
その後、永瀬王座がリードを広げます。持ち時間を使い切った藤井七冠は「1分将棋」に…相手が指してから60秒以内に指さなければならず、脳の瞬発力が試されます。藤井七冠の劣勢が続き、AIがリアルタイムで分析する勝敗予測では、勝率1%まで落ち込みました。しかしここで永瀬王座が打った一手が。(実況解説)「悪い感触がしたのでは。永瀬王座も気付いているはず」藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市の大盤解説前に集まった人たちも。「(永瀬王座が)間違えた!」形勢逆転に大きく盛り上がります。
CBC
頭を何度もかきむしり、祈るように両手を握り、宙を見つめる永瀬王座…そして。(永瀬前王座)「参りました」138手までで永瀬王座が投了。藤井八冠が誕生したのです。