映画会社NOTHING NEWは10月12日、喫茶店「TAN PEN TON」をオープンしました。今や生産すら終了しているVHSでショートフィルム映画を楽しめるといいますが、一体どのような喫茶店なのか? オープンに先がけお邪魔させてもらったので、早速レポートします。
■”映画の発信拠点”を目指し、下北沢にオープン
VHS喫茶「TAN PEN TON」をオープンしたのは、2022年に立ち上がった映画会社のNOTHING NEW。新鋭監督とのオリジナル映画作品の製作をはじめ、世に映画を届ける活動を行う同社にとって「TAN PEN TON」はその一環としての挑戦だといいます。
店内にはNOTHING NEWがセレクトしVHSに焼き直した世界中のショートフィルムがずらりと並びます。カウンターでドリンクやフードを注文すると、VHS同様に見かけることの少なくなったブラウン管テレビで好きな作品を楽しむことができます。
日本の映画業界にはオリジナル作品を製作するハードルの高さが課題のひとつとして存在していますが、20分以内におさまるほどのショートフィルムは、製作への(資金面を含めた)ハードルが低い点や短尺だからこそ挑戦できる表現があるという点で、クリエイターにとって製作の可能性を多く含んだ映画なのだそう。
しかし一方で、ユーザーにとってショートフィルムは身近なコンテンツとは言えず、同店での体験を通じショートフィルムをより身近に、そして新しい映画の楽しみ方として浸透してほしい、と同社は考えます。
■VHSやブラウン管テレビでタイムスリップ
さまざまなショートフィルム作品に出会えることに加え、一つひとつの映画作品が”VHS”という形態であること、さらにそれをブラウン管テレビで視聴できるという特長が、まさにこの店の面白いところ。
昭和~平成にこれらが生活の一部であった人にとっては懐かしく、初めて触れる若い世代にとっては新鮮に、どの世代にとっても「TAN PEN TON」の空間は特別で非日常を手軽に味わえます。
まさしく前者である筆者は店内に入るなり幼い頃にタイムスリップ、実家のテレビの横に積み重なったVHSの光景が一気にフラッシュバックしました…! オンライン上のボタンひとつで作品にアクセスできる暮らしに慣れていましたが、視聴する作品をVHSで手に取り再生機にセットするという”当時の当たり前”の流れに妙な特別感を感じます。
■提供メニューも魅力的なラインナップ
「TAN PEN TON」は提供するメニューも魅力的です。フード・ドリンク共に、代々木上原で人気のカフェバー「No.」に在籍していたディレクターとバーテンダーが手がけたそう。
映画と言えば定番の「ポップコーン」も、抹茶塩・スパイスカレー・味噌キャラメルといった個性的なラインナップで、お酒に合うフレーバーになっています。
店内のマシンで作っているという自家製アイスクリームも気になります。アイスクリーム単体としてはもちろん、ソーダフロートや、バータイムはフロートカクテルとしても楽しめるのだとか!
カウンターでドリンクやフードを受け取り、店外の席で楽しむこともできるので、一般的なカフェ感覚でも利用可能です。
■場所は下北沢駅から徒歩5分、BONUS TRUCK内
「TAN PEN TON」は本日10月12日より、下北沢のBONUS TRACK内にオープンしました。BONUS TRUCKは下北沢駅から徒歩5分ほどに位置し、インバウンド客も多く訪るなど賑わいを見せています。
エリア内には本を読むための静かなカフェや発酵食品を取り揃えた店など個性的な店が並び、散歩がてらふらっと歩いても楽しめますよ。
お近くの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。
TAN PEN TON(タンペントン)
■住所: 東京都世田谷区代田2丁目36-13
■営業時間: 12時~23時(ラストオーダー: 22時00分)
■定休日: 月曜日(祝日の場合は翌平日が定休日)