三菱自動車が脱中国? 今後トヨタや日産、マツダやホンダも続くのか

三菱自動車が中国での自動車生産から撤退すると9月下旬に日本経済新聞が報じた。近年、三菱自動車は中国市場で厳しい立場にあり、中国での販売台数は2018年には14万台あまりだったが、昨年は3万台あまりと激減した。

■厳しいビジネス競争
中国では電気自動車が急速に社会に普及し、電気自動車を得意とする欧米メーカーに一歩先を超されている。また、中国メーカーも存在感を高め、日本車への需要や憧れは昔のものになっている。

三菱自動車は現地合弁会社の広汽三菱汽車と、湖南省にある工場でガソリン車を中心に生産してきたが、販売不振で3月から生産を停止してきた。三菱自動車は脱中国に舵を切り、今後は東南アジアに主軸を向けるという。

関連記事:まだまだ高価なテスラのEV、しかし購入後「ものすごく経済的」なことを実感した話
■トヨタや日産、マツダやホンダも脱中国か
だが、これは三菱自動車だけに限った話ではない。中国市場では他の日本の大手自動車メーカーも同じように苦境にある。

日本が持つ車製造技術やノウハウが中国との合弁企業に盗まれ、それによって中国の自動車メーカーが成長するというのは窃盗同然の行為であるが、今後も中国市場で日本メーカーの苦戦は続くことだろう。

昨年、ホンダやマツダは車製造に必要な材料で脱中国依存を強化したり、サプライチェーンで中国とのその他地域を完全に切り分けたりすることを発表したが、今後も完全撤退も十分にあり得よう。

日本企業にとって“うま味のある中国”はすでに終わっており、今後明るい材料は全くない。日本の大手自動車メーカーの完全撤退は今後さらに現実味を帯びてくるだろう。