「命守るため」自転車ヘルメットを 4月から着用が努力義務に 千葉県警、頭部けが防止へ啓発

4月に施行される改正道交法で、自転車に乗る際のヘルメット着用が全年齢で努力義務となる。千葉県警によると、千葉県内では昨年1年間に自転車乗車中の事故で15人が死亡。うち頭部の負傷が致命傷となった人は、全体の3分の2を占めた。ヘルメット着用は事故被害軽減へ有効とされるが、使用する人はごくわずかで県警は着用を呼びかけている。
現状の道交法のヘルメット着用の努力義務は、小学生以下の子どものみが対象で、保護者が子どもに着用させるように求めている。一方で警察庁の調べでは、自転車事故でヘルメットを非着用だった人は、着用していた人に比べて致死率が約2・2倍も増加する。そのため、乗車中にヘルメットをかぶることで、死傷者の大幅な減少につながるとし、努力義務の対象を全年齢に拡大させる。
県内の昨年の自動車乗車中の事故死傷者数は3187人で、うちヘルメットを着用していたのは356人(11・2%)だった。道交法改正に向け、県警が2月に千葉西署管内で実施した調査では、成人で自転車乗車中にヘルメット着用していたのは全体のわずか1%。改正後も努力義務に罰則はないため、いかにヘルメット着用率を向上させるかは大きな課題となる。
14日には同署が千葉市美浜区のJR海浜幕張駅で、ヘルメット着用が全年齢に義務化されることを呼びかける啓発イベントを行った。チラシや県のマスコット「チーバくん」の反射材ストラップを駅利用者らに配った。
イベント後は、付近の交差点で自転車の一斉取り締まりを実施。自転車に乗った高校生らにヘルメット着用を呼びかけ、信号無視とイヤホン使用で13人に警告をした。
同署の篠崎忠司交通課長は「管内では自転車事故が増えている。命を守るためにヘルメット着用してもらいたい」と話した。