ペットの高齢化で増す獣医師の負担軽減…動物医療の現場に新国家資格「愛玩動物看護師」採血や投薬など可能に

犬や猫の平均寿命が延び高齢のペットが増えたことなどで、獣医師の負担が増しています。その負担軽減などを目的に、新たな国家資格「愛玩動物看護師」が誕生しました。試験に臨む男性看護師を取材しました。 愛知県安城市にある、あいち犬猫医療センター。トリミングサロンやペットホテルも併設する犬と猫の総合病院です。
動物看護師の神戸太志さんが、動物たちの薬をカルテを見ながら手際よく準備していきます。
神戸さん:「入院管理の子の薬の準備です。今日の夜と明日の朝の分の準備をしています。薬の内容が変更されることもあるので」 外来でやって来た動物の診察の補助や、手術の補助なども行う神戸さん。この日はチワワの全身麻酔の手術をサポートします。
獣医師:「(全身麻酔で)呼吸が止まっているので、肺に空気を入れてもらっています」 人を診察する病院の看護師と同じような業務を行っているように見える動物看護師ですが、採血や点滴の針刺しなどの行為は認められていません。神戸さん:「(国家資格になれば)点滴を看護師の方で入れられるようになるので、先生の手間が1つ減るかなと」 ペットは平均寿命が延び、高齢化が進んでいます。この10年で、犬は0.89歳、猫は1.26歳、長生きになりました。
それに伴って動物医療の高度化などが進み、獣医師の負担増加が問題となっています。 こうした背景から、「愛玩動物看護師」の資格が誕生しました。取得すると、採血や投薬、カテーテルによる採尿などの簡単な処置を看護師ができるようになります。

獣医師 :「結構助かると思います。採血をしてもらったりとか点滴を入れてもらったりとかができるようになってくれると、それだけでもすごく時間が短縮できるので」 2022年6月から義務化されたマイクロチップの装着も可能になります。
獣医師:「うちの病院でも、避妊去勢手術の時にマイクロチップをお願いしますとか、ニュースを見たからマイクロチップを入れさせてくださいという方が増えています。そういう処置の部分で看護師さんができるとなるのはすごくいいことかなと思います」 2月19日に行われる初の試験を控えた神戸さん。国家資格の取得により、給与や待遇面の改善も見込まれると期待します。神戸さん:「今は他の企業さんと比べると、給料面とかも動物系ってそんなに高くない、低いかなくらいなんですけど。国家資格とかになってくるとそういう面でも変わってくるんじゃないかなと思うので、そういうところはいいと思います。(試験に向けて)頑張ろうかなと思います」