猛暑の影響受けた“新潟県産コシヒカリ” 食味問題なしPRも…東京での評価は?「うまみ問題ないが…」

猛暑と水不足の影響で今年の新潟県産コシヒカリは等級を大きく落としました。県内の温泉旅館の女将が東京で県産米の変わらぬおいしさをPRしましたが、一方でコメ店からは厳しい評価も聞かれました。

【松之山温泉ひなの宿ちとせ 柳明美 女将】
「(今年は)全体的にコメの粒は小さいが、とても甘くておいしいコメなので、それをお客様の目の前で羽釜で炊いて、夜は塩むすびにしてお出しする」

“新潟女将の会”の女将2人が10月16日、東京でアピールしたのは、今年の県産米について。

新潟にゆかりのある首都圏のメディア関係者などに、コメの等級が下がる中でも「おいしさは例年と変わりない」とアピールしました。

JA全農にいがたによりますと、10月13日時点の県産コシヒカリの一等米比率は2.6%で、去年の75%を大きく下回り過去最低に…。

ただ、食味の決め手となるタンパク質の含有量は去年と同じ程度であるため、県などは「等級と味は別として、例年と変わらずおいしいコメになっている」とPRしています。

【小池精米店 小池理雄さん】
「食べてみると、うまみ・甘みはきっちりと舌に伝わるので、そういった意味では問題ないが」

こう話すのは、東京・表参道で精米店を営む五ツ星お米マイスターの小池理雄さん。

猛暑でもうまみ・甘みなど味には問題がないとした一方で、等級が低下したことで粒に異変が生じていると指摘します。

【小池精米店 小池理雄さん】
「精米も難しかった。どうしても割れてしまうものがあって。粒がもろいので、炊飯したときにやわらかいというのがあった」

最近のコメの評価は、粒の弾力性が重要視されているため、今年の新潟のコシヒカリは粒がやわらかく、物足りなさがあり、品質的には落ちているという評価でした。

【小池精米店 小池理雄さん】
「そもそもコメは農産物なので『こういう年もあるんだよ』と、こういった状況を楽しんでコメに注目していただきたい」

この小池さんが指摘する粒のやわらかさについて、県はコメを炊くときの水加減や時間の長さを調整することで克服できるとしています。

【白玉の湯泉慶 穴澤恵子 女将】
「全国から来るお客様は、私たちが思っているほど一等米が少ないとか、分かっていらっしゃらないようで、『いつも通りおいしいね』という声をいただいている」

等級は低下していても炊き方次第でいつもと変わらぬおいしさとなる今年の県産コシヒカリ。

【参加者】
「今の等級(ダウン)は大変な事態だと思うし、絶対に復活してくれると思う。コメは新潟の基盤。今回は大変だと思うが、ぜひ復活してほしい」

消費者の期待を受けながら、関係者の地道なPR活動が続きます。