「うるさくて我慢できなかった」 公民館で2人に切りつけた男 “音”が犯行の引き金になったか

10月14日、名古屋市熱田区の公民館に刃物を持った男が押し入り、利用者2人を切りつけました。現場には子どもたちも多くいて騒然となりましたが、公民館から聞こえてくる「音」が事件の引き金になったと見られています。
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(矢野司記者)「刃物を持った男がこちらの公民館に押し入り、利用者2人を切りつけました」10月14日午後4時20分ごろ、騒然となった事件現場…
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熱田区明野町の公民館「野立(のだて)コミュニティセンター」にパトカーが集結。包丁を持った男が押し入り、利用者を切りつけたのです。(公民館の職員)「(前田容疑者が)階段を上っていく後姿をチラッと見た。(目撃者が)『待って、待って』って(追いかけた)」殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、前田道夫(まえだ みちお)容疑者68歳です。警察によりますと、前田容疑者は公民館の一室に押し入り、利用者の54歳の男性と49歳の男性の妻を包丁で切りつけて殺害しようとした疑いがもたれています。
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現場は公民館の2階…関係者によりますと、東側の部屋にはこの日、ゴスペルの愛好家が集まっていて、子ども10人と大人7人のあわせて17人が、事件の30分ほど前から歌を歌っていました。すると、突然、前田容疑者が包丁を手に公民館に現れ、階段を上って部屋に押し入ったのです。前田容疑者は男性の両肩を切りつけた後、その妻の脇腹を刺したということです。(公民館の職員)「2階から男の子が『110番して!』と言ってきたから110番した」「『早く!早く!119番して!』と言っていた」前田容疑者はその後、居合わせた別の利用者に取り押さえられ、駆けつけた警察官が現行犯逮捕。警察の調べに対して容疑を認めています。警察は、使われた凶器は刃渡り15センチの包丁とみていて、切りつけられた夫婦の命に別状はないということです。前田容疑者は犯行の際、「うるさい」などと叫んでいたということで、警察は、これまでも公民館から漏れ聞こえていた「音」が犯行の引き金になったとみています。
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(当麻葵記者)「前田容疑者は事件現場のコミュニティセンターのすぐ隣、こちらのアパート2階に住んでいたということです」前田容疑者の住むアパートは、公民館の駐車場をはさんで8メートルほど離れていますが…(前田容疑者と同じアパートの住人)「(公民館の前で)『ガタガタうるさい』と文句を言っていた。10日くらい前。私は全然気にならない」前田容疑者は公民館に対して、これまでも直接苦情を訴えていました。(公民館の職員)「私が知っているのは3回」「最初は『声が大きい』と言われただけ。2回目は『警察に言う』と言われて。3回目は『役所に言う』と」前田容疑者は、逮捕後の取り調べに対して「うるさくて我慢できなかった」という趣旨の供述をしているということです。普段、この公民館を利用している人にうかがうと…(公民館の利用者)「注意されたので、窓を閉め切っていた。『あまり大きな音を出さないでやってほしい』と管理者から言われた」
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被害にあった男性は16日、CBCテレビの取材に対して「事件が起きた時は怖かったが、妻も子どもたちも助かったので怒っていないし、悲しくもない」と話しました。警察は、騒音トラブルが動機と見て、犯行のいきさつをさらに詳しく調べています。