公民館で“ゴスペル”…隣に住む男「うるせぇ」と包丁持って乗り込み殺人未遂で現行犯逮捕 区役所に相談も

名古屋市熱田区の公民館で14日午後、男女2人を包丁で切りつけた男が、殺人未遂の現行犯で逮捕されました。男は10日前にも興奮した様子で苦情を言っていたということです。 殺人未遂の現行犯で逮捕された無職・前田道夫容疑者(68)が16日午前、送検されました。
14日、事件の現場となった熱田区明野町の「野立コミュニティセンター」近くで撮影された映像には、救急車両や何台ものパトカーが映っていました。担架が用意され、物々しい雰囲気に包まれています。
「野立コミュニティセンター」は住宅街の一角にあり、2階で男女2人が切りつけられたということです。
54歳の男性が包丁で2回切り付けられ、止めに入った49歳の妻も切りつけられました。軽傷だったという2人。コミュニティセンターには予定表が張り出されていて、14日土曜日は『ゴスペルソング』と書かれていました。 事件現場となったコミュニティセンター二階の会議室では当時、ゴスペルソングを歌う音楽活動が行われていて、大人7人と子供10人がいたということです。
逮捕された前田容疑者はコミュニティセンターの駐車場を挟んで、すぐ隣にあるアパートの2階に住んでいました。
警察の調べに対し「うるさくて我慢ならなかった」と供述している前田容疑者。 当日は窓とカーテンを閉めていたといいますが、公民館に防音設備はありません。この日、コミュニティーセンターで前田容疑者を目撃したという施設の関係者は…。公民館の関係者:「(前田容疑者が)すごいスピードで上がっていって、ご夫婦が『待って』と言って追っかけていた。その『待って』でふと見たら、(前田容疑者が)上がっていくのが見えたんです。(その後)5分もかからないぐらいかな、子供さんが来て『110番』って言ったから。『包丁を持った人が来ているから』って」 前田容疑者は、以前から公民館側にクレームを入れていたといいます。前田容疑者と同じアパートの住人:「10日前に初めて文句言うのを聞いた。『お前らうるさい!うるさいことまたやるんやろ!』って興奮して言ってましたね」公民館の関係者:「私が知っているのは3回。声がやかましいということで。(これまでは)靴も脱いで上がっていたけれど、今回はそのまま上がっていかれて」 前田容疑者はこれまでに少なくとも3度施設を訪れ、最近も苦情を言いに来たといいます。 度重なる訴えの末に起きてしまった事件…。熱田区役所の担当者:「1カ月ほど前に市役所に相談があった。そして、その翌日に区役所に話があった。(前田容疑者から)『音が気になる。再三、音を落としてほしいとお願いしています』と伺いましたので、音の出る活動がどうあるべきかについて、地域の皆さんが考えると聞いています。区役所もそこに伴走しながら考えていきたい」 名古屋市が管理する公民館で殺人未遂事件が発生したことについて、河村市長は…。
河村名古屋市長:「ちゃんと役所から、その苦情についてどういう対応して、ゴスペル歌っとる人達に伝えなあかんわな。こういう苦情があるで、それに対して辛抱せなあかんのか、それともやめないかんのか、ちょこっとした防音的な対策が取れるのかとか。そういう対応をしたかどうかということをちゃんと確認して、報告してくれと今なっております」