内戦終結から約30年。ようやく英軍艦も訪問です。
イギリス海軍は2023年2月13日、哨戒艦「スぺイ」がカンボジア南部のシアヌークビル(シハヌークビル)に入港したと発表しました。
今回の寄港は、イギリスとカンボジアの国交樹立70周年にちなんだもので、イギリス海軍艦艇が同国を訪れるのは1958(昭和33)年以来、65年ぶりとのこと。なお来航にあたってはカンボジア海軍軍人らの出迎えを受け、「スぺイ」は13日以降、5日間にわたって滞在するそうです。
65年ぶり! イギリス軍艦カンボジアへ 国交樹立70周年記念…の画像はこちら >>イギリス海軍の哨戒艦「スぺイ」(画像:在カンボジアイギリス大使館)。
「スぺイ」は9隻造られたリバー級哨戒艦の最終艦で、2019年6月19日に進水し、2021年6月18日に就役した比較的新しい船です
全長は90m、排水量は約2000トンで、最高速力は25ノット(約46.3km/h)。固有装備は30mm機関砲や12.7mm重機関銃と軽武装ながら、そのぶん長期航海が可能で汎用性に優れたつくりとなっているのが特徴です。ゆえに、その任務は警戒監視活動や麻薬密輸の取り締まり、物資輸送や対テロ作戦、特殊部隊の活動支援など様々な任務に就くことが可能です。
そういった特徴を持つ船のため、現在「スぺイ」は姉妹艦「テイマー」とともにインド太平洋エリアに5年間派遣されており、2022年1月には海底火山の噴火で被害を被ったトンガへ各種物資を積載して救援に駆けつけたほか、同年11月には日本にも来航。さらに直近1月上旬には北朝鮮船舶の瀬取りを含む違法な海上活動に対する警戒監視にも従事していました。