アントレは2月14日、「就職氷河期世代の働き方実態調査」の結果を発表した。調査は2022年1013~11月1、独開業援サイト「アントレ」に会員登録をしている20代以上の男女166名を対象にインターネットで行われた。
同調査では、就職氷河期世代を1971年~1980年生まれの40代(現在41~50歳)と定義している。
氷河期世代の新卒時の雇用形態をみると、女性の正社員率の低さは顕著で53.8%。この数字は、他世代女性と比較して-28.3%、同じ氷河期世代である男性と比較しても-18.5%と不遇さが目立つ結果に。さらに新卒から勤続している層は0%ということからも不本意な就職であったことがうかがえ、氷河期のあおりを最も受けたのは女性であったことがわかった。
現在の雇用形態をみると、氷河期世代の正社員率(男性44.7%、女性46.2%)が男女ともに他世代(同41.0%、35.7%)を逆転する結果に。また、転職の実態をみると、全世代ともに6社以上の会社に勤めた割合が約3割と最も高く、特に、氷河期世代男性では38.3%(他世代男性+12.7%)と高い割合に。氷河期世代は、6社以上の転職などを繰り返しながら現在の雇用を選択した努力の跡が見てとれた。
氷河期世代において、現在の正社員の割合は高いものの、新卒時より雇用形態における満足度は低く、必ずしも正社員であることが満足度を高める要素ではないことも分かっている。
現職の満足度については、氷河期世代の女性は、特に「通勤時間」(76.9%)や「人間関係」(69.2%)で高く、環境の良さへのこだわりが現職の選定理由にもつながっているよう。対して男性は、現職の「個人事業主・フリーランス・自由業」の割合が23.4%と全世代中最多で、他世代男性比+10.6%・同世代女性比+23.4%と高い水準を示しており、雇われない生き方を実現する姿勢が顕著に見える結果となった。
一方、他世代では、現職の雇用形態に不満を持つ層(氷河期世代31.7%/他世代28.3%)のうち、氷河期世代の42.1%が個人事業主・フリーランスを希望し、他世代の60.0%が正社員を希望していることが明らかに。他世代の安定志向は、就職時の失敗経験が少ないことにも由来しているとも推測できる。
最後に、これからの希望の働き方について聞いたところ、氷河期世代の男性は「独立・企業したい」(63.8%)や「今の独立した形でできるだけ長く働きたい」(19.1%)など、独立意向が高い結果に。一方、氷河期世代の女性は「副業意欲」(38. 5%)が最多。およそ2.6人に1人が現職を継続しながらのダブルワークとして副業を希望していることがわかった。
他世代に関しては、男性は「独立開業したい」が最も多かったが、その割合は28.2%(-16.5%)に留まる結果に。また、同じく他世代女性の1位も氷河期女性と同じく「副業」だが、その割合は25.0%(-13.5%)と、差が顕著に表れる結果となった。