沖縄県環境保全課は15日、在沖米軍基地周辺など5地点で実施した土壌中の有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の調査結果を公表した。宜野湾市の普天間第二小で、対照地点(糸満市)より16・5倍のPFOS(ピーフォス)が検出された。県は「基地の影響を受けている可能性を否定できない」と見解を示した。
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国内には土壌に関する基準値や分析方法が確立しておらず、県は安全性を評価できないとする。
一方、米環境保護局(EPA)は、住宅地域で健康被害をもたらす恐れがあり詳細な調査(スクリーニング)が必要とされる基準値をPFOS130ナノグラム、PFOA190ナノグラムと設定。地下水への汚染を防止するための基準値をPFOS0・038ナノグラム、PFOA0・92ナノグラムと定めている。
同基準値に照らすと、全地点で住宅地域では大きく下回ったが、地下水への汚染防止では全地点で上回り、第二小のPFOSは最大の173倍だった。
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調査は昨年12月、第二小を含む普天間飛行場周辺3地点、嘉手納基地周辺1地点、比較対照のため基地の影響がないとみられる糸満市で土壌を採取した。
県は来年度、汚染実態の把握や調査結果を踏まえて国に基準値を求めるため、初めてとなる全県規模の土壌調査を予定している。
(社会部・東江郁香)