市川市は、塩分やカロリーなどで健康に配慮したランチの販売を今月から始めた。「いちランチ」と称した週替わりの弁当類。JR本八幡駅近くの市役所第1庁舎7階に地元の製造事業者が持ち寄り、市民らが購入してその場で味わうか、持ち帰れる。ヘルシーな野菜や発酵食品、ご当地食材の活用などが特徴だ。
メニューが「野菜たっぷり」「減塩」「カロリー」のいずれかで基準値を満たすか、あるいは地元産食材を使うことを参加条件に、市が9月に販売業者を募集。市内のレストランや同市が創業の地の山崎製パンなど計6事業者が参加を決めた。試験的な事業のため、販売場所の使用料は無料にした。平日の午前11時半~午後1時半に7階の休憩室で販売され、室内で食べてもテイクアウトしてもOK。料金は高くても1000円ほど。
初日は、発酵食と雑穀米を使った弁当、地元産の梨を入れたカレーライスが販売され、用意した約110食が早々に売り切れる人気ぶり。発酵食弁当を出した飲食店経営、矢路川結子さん(41)は「店のコンセプトと市の方針がぴったり合った」。梨カレーを売るインド料理店経営、中村まゆみさん(61)は「昨年、市川の梨がひょうの被害を受けたとき、消費を助けようとカレーに梨を使ったら店の人気メニューになった。地元の梨を多くの人に知ってほしい」と意気込んだ。
「いちランチ」販売は、今のところ来年3月末までだが、市はメニューをより多様にすべく、事業者募集を継続中。市担当者は「今回の経験を参考に、来年度はさらにステップアップした内容に発展させたい」と見据える。
「いちランチ」は「健康寿命日本一の市」を目指す田中甲市長の方針を反映。市民の健康を後押しする本格的な取り組みとしては、健康支援ポイント「Aruco(アルコ)」に次ぐ第2弾となる。