中央アジアの国・キルギス。日本で人手不足が課題となる中、IT人材などの育成に力を入れるキルギスから人材を受け入れようと新潟県内でも熱い視線が注がれています。
中央アジアに位置する「キルギス」。旧ソ連崩壊により独立し、人口約670万人と規模は小さいものの若い世代が多くを占めます。
10月、そのキルギスの首都・ビシュケクを訪れたのは、長岡市の磯田市長をはじめ、IT・製造・介護事業者などからなる視察団です。
一行はキルギス政府関係者や現地の大学関係者などと面会し、人材交流に向け協力を求めました。
【アイビーシステム 若桑茂 会長】
「遠い国だが、日本と文化も違わないし、なおかつ親日的な国。すごく日本に近い国という印象を受けている」
こう話すのは、長岡市の視察団にコーディネーターとして同行した若桑茂さんです。
新潟市北区のシステム開発会社の会長を務める若桑さんは9月、新潟経済同友会のメンバーとしてもキルギスを視察しました。
【アイビーシステム 若桑茂 会長】
「(キルギスは)今まで、どちらかというと、肉体労働をしていたが、そうではなくてITのほうに力を入れていこうと。日本は労働力不足ということで、そこら辺のマッチングができれば」
GDPは約110億ドルと低水準にとどまるキルギス。産業を育てようと、現在IT人材の育成などに取り組んでいますが、国内にはまだ雇用の場が足りず労働力は外国に向かっているといいます。
日本では円安などの影響もあり、これまで受け入れてきたほかの国からの人材獲得が難しくなっている中、そうしたキルギスの状況に注目する動きが出ています。
若桑さんは視察を重ねキルギスの大学の理事に就任するなど、他県に先んじて良好な関係を築いていますが、検討課題も口にします。
今後企業があまりに人材獲得を急げばミスマッチが生じ、キルギスから新潟や日本に対するイメージが悪化する恐れもあるとして、インターン制度の充実などを図る必要があるといいます。
【アイビーシステム 若桑茂 会長】
「日本には、まだ500人くらいしか労働者として来ていないということなので、先手必勝ということもあるが、オール新潟・オール日本でキルギスという国と親密な関係ができていけばいい」
人手不足が深刻となる中、新たな人材の供給地として期待がかかるキルギス。新潟からその可能性を広げようと、取り組みが始まっています。