一歩間違うと衝突していた可能性も。
アメリカ軍内において、日本を含む西アジア・オセアニア地域を担当するインド太平洋軍司令部は2023年10月26日、南シナ海上空を飛行中の戦略爆撃機が中国軍戦闘機による異常接近を受けたと発表しました。
挑発か? 中国戦闘機 南シナ海で米B-52戦略爆撃機に異常接…の画像はこちら >>2014年8月、南シナ海を飛ぶアメリカ海軍のP-8A哨戒機に近づいてきた際の中国J-11戦闘機。今回、B-52戦略爆撃機の至近で危険な飛び方をした中国戦闘機と同型機(画像:アメリカ海軍)。
起きたのは10月24日夜で、南シナ海の公海上空(国際空域)を飛行中のB-52「ストラトフォートレス」大型爆撃機に対し、中国軍のJ-11戦闘機が急速接近(インターセプト)をかけてきたとのこと。その際に、10フィート(約3m)という近さを異常な高速で飛行し、パイロットを危険に晒したといいます。 中国側の飛び方は、視界が制限される夜間に行い、かつ国際的な航空安全規則と規範に反するものであるとインド太平洋軍では断言しています。
映像を見ると、機体背面にあるエアブレーキを開いて、そこでスピードを調整しながら、B-52の左側方を追い抜いていく様子が記録されています。
なお、インド太平洋軍の説明では、2021年秋以降、中国軍機による同様の危険な飛び方は180件を超えるそうです。
アメリカ側は、国際法が許す範囲で、安全かつ責任を持って南シナ海上空での飛行や航海を継続するそうで、米インド太平洋軍は自由で開かれたインド太平洋地域になるよう、全ての国が国際法に従って安全に活動することを期待するとしています。