「最後まではずすかとても迷った」門出の日 マスクの着用は個人に委ねられた…愛知の2つの私立高校では

国が、学校の卒業式では子どもたちにマスクの着用を求めないという、新たな方針を打ち出してから1週間。「チャント!」では17日に卒業式を迎えた、愛知県内の2つの私立高校を取材しました。
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17日、晴れの舞台を迎えたのは、豊田市の私立杜若(とじゃく)高校の241人。卒業式ではマスクを外すことを基本とする政府の方針を受け、この学校では、マスクの着用は個人の判断としましたが、実に8割以上の生徒がマスクを着用したままでした。
CBC
(卒業生答辞)「制限がある中でも友情を深めることができ、今ではマスクでは隠しきれないほどの笑顔が常にあります」

新型コロナによる入学式の延期から始まった高校生活。校歌の斉唱は…校歌静聴。静かに聞くだけ。3年間、一度も校歌をみんなで歌うことなく卒業となりました。
また、保護者の参列も原則生徒一人につき一人だけ。最後まで制約の多い高校生活でした。(卒業生)「マスクをつけている生活に慣れすぎてしまって、どうしても人数が多くて密になる。少し不安だったので(マスクを)つけたまま参加した。(コロナに)苦しめられたけれど、それでも楽しい3年間を贈ることができたので良かった」

(卒業生)「自分も最後まで外すかどうかとても迷った。最後に立派に成長した姿を保護者や先生に見せたいという思いが強かった。最後はみんなの表情を見て、過ごしてきた思い出とかを思い出しながら、卒業したいと思っていたのでとてもよかった」

一方こちらも、17日卒業式を迎えた名古屋市瑞穂区の享栄高校。(担任)「いまから、(マスクを)外せる人は外して卒業式に行きたいと思います。これから受験を控えている人もいるし、外したくない人は大丈夫。自分たちの判断ではずしたい人ははずしたください」
これまで外せなかったマスクを、急に外していいと言われても多くの生徒には戸惑いが。(卒業生)「お願いお願い!(一緒に)マスク外そう」「(マスクつけていないの)俺たちだけ?」
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実際の卒業式では…ほとんどがマスクをしたままでした。マスクを外すのも壇上で卒業証書を受ける時くらい。仰げば尊しも、校歌も聞くだけ。一度も歌うことなく卒業となりました。
(卒業生答辞)「新型コロナウイルスの影響で突然の休校となり、この先の高校生活に不安を抱いたことを覚えています。高校三年間は長い人生のほんの一瞬。その一瞬を一生懸命過ごしたことは一生忘れられないものになる」

式を終えて、卒業生たちは…(卒業生)「顔が見えた方がうれしいのかな、悲しいのかなという表情が良いと思った」
「(素顔を)全く知らない人ばかり。(マスクを外したら)『この人めっちゃイケメン!』という人もたくさんいて、この状況だからこその楽しみでもあった」
「中学校の卒業式からずっとマスクをつけていたので、急に外してといわれても『おぉ』と…」

マスクをつけさせるか、どうか最後まで悩んだという学年主任は…(享栄高校松山直樹学年主任)「18歳成人ということで、大人として自分たちが考えるということを、最後の卒業式で教えたかった。マスクをつけている人も取っている人も、良い表情が見られてよかった」