約9割のZ世代が知らなかった、あの高級アイスの名前 40年前の「開発秘話」が最高すぎる…

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10月も終わりに近付き、夜は肌寒く感じる日も増えた。夏に比べると出番は少なくなるものの、冬に暖房の効いた部屋で食べるアイスも至高である。
ネット上では、森永乳業の「高級アイス」が注目を集めていて…。
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ことの発端は、9月に投稿された森永乳業の公式X(旧ツイッター)のポストだった。内容としては、同社から発売されているバニラアイス「VIENNETTA(ビエネッタ)」の認知度を伝えるもの。
(>もーりーさん、アカウントを貸してくださってありがとうございます。)お久しぶりです。ビエネッタです。皆様のタイムラインにお邪魔しており失礼します。わたし、9月に40歳を迎えるんです。今日だけでもせめて、思い出してほしくて、調査をさせていただきました。 pic.twitter.com/NCAtDyISxo
森永乳業@もーりー (@morinaga_milk_) September 1, 2023
同商品は、1983年9月に発売。パリパリした薄いチョコレートと濃厚なアイスクリームを重ねたケーキアイスだ。

今年40周年を迎え、若年層の認知拡大と休眠顧客の掘り起こしも兼ねて、全国15~69歳の男女1万人を対象に「ビエネッタ」の画像を示し名称を回答してもらう「ビエネッタ緊急調査」を実施した。
その結果は、15~25歳の正解者は4.0%、全世代でも12.7%と、特に若い世代の認知度が低いことが明らかになったのだ。

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いわゆるZ世代の約9割が知らないという調査結果は、ネット上でも話題に。
「若い世代はビエネッタ知らないのか。今は美味しいアイス増えたからな」「ファミリー向けのイメージだし、高いから手を出しにくいっていうのもあるのかも」「ビエネッタの美味さを知らないのは人生損してるで」など、驚きの声が続出。
また、「大人になったら一人で全部食べてやるって思ったぐらい憧れの高級アイス」「お前を一本喰いするのが子供の頃の夢じゃったわい」「子供の頃実家にあったが、お客様用だと言われた」といった幼少期の「ビエネッタ」のイメージを振り返る人の声も見受けられる。

「ビエネッタ」は693円(530ミリリットル、税込み)とややお値段が張ることもあってか、高級なイメージを抱く人が多いようだ。余談だが、現在30代の記者も幼少期、「ビエネッタ」は「勉強で頑張った」等何らかのご褒美でしか出てこなかったため、「めったに食べられないご馳走」というイメージが強かった…。
今回の調査で注目を集めた「ビエネッタ」はいかにして誕生したのだろうか。森永乳業に取材したところ、様々なエピソードが明らかになったのだ…。

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森永乳業の担当者によれば、同社は1979年に世界レベルの高品質なアイスクリームの提供を目的に、ユニリーバ社と技術提携した。ユニリーバが世界14か国で「ケーキアイス」を発売し、高い人気を誇っていたため、日本でも販売することになったそうだ。
ただ、発売当初の売れ行きに関して、担当者は「発売当初は海外のケーキアイスと同様にラクトアイスグレード(乳固形分3.0%以上のもので、一般的なアイスクリームに比べてややさっぱりした味)でテスト発売しました。ですが、なかなか販売が振るいませんでした」と、苦戦を強いられたと振り返る。
その後、改良を重ねていった。担当者は、「当時の日本の社会情勢をふまえ、乳脂肪分の高いアイスクリームグレードに変更し、高級アイス『ビエネッタ』として発売しました。ちなみに、ビエネッタは、『ビエンヌ』というウィーンの貴婦人をイメージして作られたアイスで、『ビエネッタ』という名前もそこからきています」と話す。
「貴婦人」をイメージして作ったのであれば、我々が抱いていた「高級アイス」の認識も間違っていなかったようだ。

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時代によって好まれる味に変化させつつも、濃厚でコク深いアイスとカカオ感の強いチョコレートには40年間こだわり続けてきたそうだ。多くの人に愛されてきた「ビエネッタ」だが、スーパーやコンビニに毎回あるわけではなく、やや入手難易度が高い印象を受ける。

こちらの疑問をぶつけたところ、担当者からは「全国にて発売しておりますが、どうしてもパーティーシーズンが最盛期となるため、1年中どこでも気軽に買える状況ではございませんでした。しかしながら、『ビエネッタをいつでも食べたい』というお声もたくさん寄せられており、今年の夏からECでの取り扱いも開始いたしました」という回答が。
最後に、今回の調査結果に対する思いを尋ねた。
担当者は、「まだまだビエネッタブランドをより多くの方に知ってもらえるチャンスがあると捉えています。『Remember Viennetta』の取り組みを通して、お客様からの熱い思いをたくさん頂きました。今回、皆さまより頂いた温かいお言葉や商品に関するアドバイスは、ひとつひとつ確認させていただき、今後の開発などに生かしていきたいと考えております」と、話す。
また、担当者から「10年後、50周年のタイミングでは、懐かしいブランドでなく、『アイスケーキの定番・ビエネッタ』と言われる存在になりたいと思います」という熱いコメントが寄せられたのが印象に残った。
これから、ハロウィンやクリスマスなどイベント事が増える。その際、ぜひ『ビエネッタ』を食べながら、大切な思い出を作ってほしい。

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斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『コタツがない家』(日本テレビ系)、『いちばんすきな花』(フジテレビ系)、『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)。