聖武天皇のご遺愛品など、色鮮やかな天平文化を現代に伝える「第75回正倉院展」(主催・奈良国立博物館、特別協力・読売新聞社)が28日から11月13日まで、奈良市の奈良国立博物館で開かれる。読売テレビの吉田奈央アナウンサー(39)が、今年の宝物の魅力を紹介する。
吉田アナが今年の宝物の中で心ひかれたのは「琵琶」だ。幼少期よりバイオリンを習っていたこともあり、美しい「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」を前に「すごく楽器に興味があって、古い楽器ってどんな音がするんだろうっていうのも楽しみですね。音色を聞いてみたいです。何よりこれだけきれいな姿で残っているのが、本当にすごいことだなって思います」とほほ笑んだ。
表側の撥(ばち)が当たる所の絵だけでなく、裏側にちりばめられた貝の装飾にも注目する。「この絵柄がものすごく豪華で、すてきだなと。おしゃれですよね」と目を輝かせる。弦楽器に貝殻などの装飾をほどこすことによって隙間ができ、楽器の音としてはあまり良くなかったのかもしれないが、「弾いてみたいです。当時は誰もがこんな素晴らしい楽器は手に入らないでしょうし、どんな人が、どんな場所や場面で弾いていたのか興味があります」と話す。
これまでも正倉院展を見に行ったことがある吉田アナ。今後は子供と一緒に行ける日を楽しみにしている。「小学校1年生なので、ゆっくり見るということはまだ難しいかなと思うので、もう少ししたらぜひ。本物を味わわせてあげたいなって思いますし、面白い宝物もたくさんあるので、時間をかけてゆっくり見たいです」と、将来の親子社会見学の場所の一つに加えた。
(古田 尚)
◆楓蘇芳染螺鈿槽琵琶 美しく装飾された琵琶で、「東大寺」との刻銘がある。槽(背面)はカエデ材を蘇芳色(暗い紫色)に染め、白色の貝や玳瑁(たいまい)を切り抜いてはめ込み、宝相華や鳥、雲の文様を表して飾る。撥で絃(げん)を弾く部分には動物の皮が貼られ、白色を塗り込めた上で絵画が描かれる。図柄は、奥行きある風景の前方に、白象の上で奏楽し舞踊する胡人を表すもので、盛唐期絵画表現を示す伝世品として高く評価される。
◆吉田 奈央(よしだ・なお)1984年7月、神奈川県生まれ。39歳。慶大卒業後、2007年に読売テレビ入社。15年11月に同局社員と結婚。2度の育児休暇を経て、今年8月17日から「朝生ワイド す・またん!」(月~金曜、前5時10分)に復帰。各種NNNニュース枠内ローカルパートを担当。現在2人の子どもの母親としても奮闘中。趣味・特技はバイオリン、手品。