【言葉禁止】ジェスチャーで注文する「言葉のない喫茶店」に潜入

中に入ると″言葉禁止″の新体験喫茶店が、東京・表参道に5日間限定でオープンします。言葉を使わずに注文するという不思議な喫茶店のメディア内覧会に行ってきました。

言葉のない喫茶店とは?

「言葉のない喫茶店」は、「やだなー展」「いい人すぎるよ展」「友達がやってるカフェ/バー」「JANAI COFFEE/JANAI GAMES』」などをプロデュースするクリエイティブディレクター・明円卓を中心としたチーム「entaku」が行う新しい取り組みです。

店内では、言葉の使用は一切禁止。あらかじめ外で10種類のメニューから1つを決め、店内では「ジェスチャー」のみで注文を行います。

注文に挑戦! うまく伝わるか……

実際に注文を行ってみました。お店の入り口にあるメニュー表から注文するメニューを決めたらいざ入店! 入り口の扉には「ここから言葉NG」の案内があり、ちょっぴり緊張……。まずは「カフェオレ」の注文に挑戦します!

イートインの場合、店員さんが席まで案内してくれます。席の場所も「ここですよ~」というジェスチャーで案内。椅子に座ると、「何にしますか?」といった表情と手ぶりで注文がスタート。

カフェオレは「コーヒー」と「ミルク」を組み合わせたものなので、この二つを伝えてみることにしました。コーヒーはミルを挽いて注ぐ様子、ミルクは牛乳パックを開けて注ぐ様子をジェスチャーしてみたのですが、店員さんは微妙な表情……。

何か思いついた店員さんが牛乳を搾る仕草をしました。「そうそう! それ!!」と反応すると、「OK」の合図。どうやらミルクは伝わったようです。果たして注文は通ったのか?

……

届いたのは「ミルクティー」でした。コーヒーがうまく伝わらなかったよう。カフェオレとミルクティー、色味が似ているので飲むまで正解か分からないところもドキドキ。ジェスチャーだけで注文するのは難しい!!!
テイクアウトで再挑戦!!

続いてはテイクアウトでの注文に挑戦。「オレンジジュース」を注文してみます。

テイクアウトの場合も、入り口でメニューを決めてから入店。そのまま入り口近くの注文口に並びます。メニューには「オレンジジュース」と「グレープフルーツジュース」という似た二つがあります。うまく注文できるか……?

オレンジを絞る仕草をしてみましたが、うーんと首をひねる店員さん。「それは切って絞るもの?」とジェスチャーで尋ねられたので「そうそう!!」と返答。伝わると嬉しいですね。理解した様子で「OK」サインをもらい注文は完了しました。

……

届いたのは「オレンジジュース」。正解です! 恥ずかしがらず、思い切ってジェスチャーしたほうが伝わる感じがしました。注文の待ち時間には、「そのネックレスかわいいですね」「ピアスもいいね!」とジェスチャーで会話。「ありがとう」や「飲む」などはジェスチャーでなく手話が混じっていることもあり、喋る言葉以外ならどんなジェスチャーでも大丈夫。

普段はジェスチャーを意識することがないので、どう表現するか頭を悩ませましたが、店員さんと一緒に考えながら伝える時間はとても楽しいものでした。失敗しても成功しても面白い。友達と行けば、もっと盛り上がりそうな気がします。
仕掛け人明円卓さんに話しを聞いてみた

「言葉のない喫茶店」の仕掛け人、entaku主宰の明円卓さんに話しを聞いてみました。

「普通だと言葉を使って注文していますが、言葉がなくなったときにみなさんがどういう風に注文されるのか実験してみたいなと。コミュニケーションのツールになる言葉が逆にハードルになることもあるかと思いました。今日本には海外の方がたくさんいらっしゃっていますが、『言葉なくなった世界』ならむしろみんなが等しくコミュニケーションができるのではないかと思いました」

取材時にも、店の前で立ち止まる外国人観光客が多く、見たことのないお店に興味津々な様子でした。言葉のない喫茶店は事前予約制(枠に空きがある場合のみ、当日受付が可能)、オンラインでのチケット購入が必要です。

5日間だけの特別な喫茶店で、言葉のない世界を体験してみませんか?