資金洗浄防止へ新会社設立 千葉銀など3行と野村総研 24年下期業務開始へ

千葉銀行は1日、世界的に対応が求められているマネー・ロンダリング(資金洗浄、AML)対策とテロ資金供与防止(CFT)を目的とした合弁会社「TSUBASA-AMLセンター」を同日に設立したと発表した。地銀広域連携「TSUBASAアライアンス」に参加する千葉銀と第四北越銀行(新潟)、中国銀行(岡山)と野村総合研究所(東京)の4社で出資。ノウハウを共有してモニタリングの強化を図るのが狙い。2024年度下期の業務開始を目指す。
千葉銀によると、新会社は広域連携による従来の協力関係以上に踏み込んだ「取引モニタリング」の共同化が目的。銀行には電話de詐欺やヤミ金融、違法薬物などの犯罪やテロ関連の組織による「疑わしい取引」を見つけて当局へ報告する義務があるが、金融庁からの指導が一段と強まり、各行の負担が増加していた。
そこで、新会社に野村総研が手がける最新システムを導入して作業を委託し、各行の負担を軽減するとともに、疑わしい取引の分析の高度化や届け出業務の円滑化などを図ることとした。新会社は千葉銀からの出向者ら十数人態勢でスタートする見込みで、各行にとっては従来のコストを削減できる仕組みとなる。
出資比率は千葉銀51・5%、野村総研19・4%、第四北越銀と中国銀がそれぞれ14・5%。
千葉銀AML担当部長で、合弁会社の社長に就任予定の植田健介氏は「犯罪組織の取引を的確に排除することで、安心な金融サービスを提供することができる。国際的な要請に対し、地域金融機関が十分に対応できるプラットフォームとして運営していきたい」と抱負を述べた。