混雑減った“渋谷ハロウィン” 地元関係者が語る「警察がマジだった」理由

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酔っ払い同士の喧嘩やバイク暴走事故など、今年も何かとトラブルが報告された東京・渋谷のハロウィンナイト。それでも例年に比べるとかなり落ち着きを取り戻したようにも映ったが、その要因は何だったのか。地元関係者はより強化された「警察の介入」を理由に挙げる。

過去記事でも報じたよう、今年の渋谷ハロウィンは過去に比べると来訪者が少なく、それに合わせて仮装する人も明らかに減っていた。
目抜き通りである渋谷センター街には、多くの警備スタッフが配備され、立ち止まり行為と路上飲酒を禁止に。また駅周辺は警察官が道路を封鎖。歩行者の動線も細かく規制され、スクランブル交差点は斜め横断が禁止になるなど、人流のコントロールが例年以上に強化されていたのだ。

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スクランブル交差点では警察官がロープを持って人の流れを管理。集合場所でおなじみの渋谷ハチ公像周辺や、駅前の喫煙所も立ち入り禁止となり、中心地が人で滞留する状況を改善しようと策を打った形だ。
地元関係者は、警察の介入が強化された理由についてこう語る。
「昨年のハロウィン期に約150人が将棋倒しで亡くなった韓国・梨泰院(イテウォン)雑踏事故の影響が大きいと聞いている。あの事故で現地の区長と地元警察署の署長が業務上過失致死傷などの容疑で逮捕されており、『渋谷で同じような悲劇を起こすな』とかなり警察側も躍起になっていた」(地元関係者)。

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記者はハロウィン客が最も多く訪れた10月28日の夜に渋谷周辺を取材して回っていたが、センター街をぐるりと取り囲むよう各主要道路に警察車両が並んでおり、数百人以上もの警察官が鋭く目を光らせていた。
警備事情に詳しい人間は、「機動隊だけで7個中隊は出ていたはず。約500人規模です。それに加えて、薬物や外国人犯罪を見張る組織犯罪対策部の私服警官、さらに深夜帯には未成年者の補導・保護のため少年育成課が巡回。まさにオールスターのような布陣に見えました」(事情通)。

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前出の地元関係者は続ける。
「明治通りなど街の外郭を交通部の警官たちが厳重に警備していたので、ハロウィン客に見せびらかすためやってきた改造車の侵入はだいぶ防いでいたと聞いている。怪しい車が来たら追跡して職務質問し、排除したのです。渋谷では10月7日にスクランブル交差点で改造車が暴走し7人が負傷しており、同様の事故が懸念されていた中、しっかり対策してくれた形」(前出・地元関係者)。
厳戒態勢の中、人々が仮装を楽しんだ今年の渋谷ハロウィン。毎年来訪者がしっかりモラルとルールを重視すれば、ここまで警察の手を煩わせることはないとも思うが…。

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キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク。
中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーからスポーツまで精力的に取材しつつ、中年独身ひとり暮らしを謳歌する。