アレもアレもほしい!阪神百貨店Vセールに朝5時2000人行列…38年ぶり日本一でズワイガニ2尾3800円など

プロ野球・阪神の38年ぶり日本一から一夜明けた6日、大阪の百貨店「阪神梅田本店」では「祝日本一! 阪神タイガースご声援感謝セール」がスタートした(10日まで)。早朝5時に並んだ一番乗りから約2000人が行列をつくり、開店時間を40分早めてオープン。「38」や「1」にちなんだ商品にファンらが手を伸ばし、同店も「熱気や、楽しみたいという思いは前回の日本一を上回るのでは」と「アレのアレ」効果に期待した。オリックスを応援している、あべのハルカス近鉄本店では「ご声援感謝セール」が始まった。
9月に達成した18年ぶりのセ・リーグ制覇に続き、阪神のデパートが再び沸いた。開店前には虎のマスコットキャラクターのトラッキーらがくす玉を割り、黄色と黒の38個の風船を飛ばして悲願を祝った。
食品売り場に定評のある地下の店内では、記念福袋3800袋(和洋酒売り場)や、ボイルズワイガニ2尾3800円などがずらりと並び、「1時間30分待ち」のボードなどが掲げられた。
滋賀県草津市から車で午前5時半に駆けつけた公務員・池田紘規さん(27)は、日本一記念パッケージのバウムクーヘンを買い求め、「きのうが誕生日で最高のプレゼントになりました。包装紙は取っておきます」と笑顔を見せた。
球団初の日本一となった85年は、年間で55億円の増収効果があったとされる。小森栄司本店長(65)は「時代が違って『安ければ買います』という消費動向ではないですが、限りなく近い数字を期待したい」と、そろばんをはじいた。
ただ、ファンが虎視眈々(たんたん)と購入を狙う日本一記念グッズ球団オリジナル商品は「短期決戦ですので、制作とのタイムラグはどうしてもある」(小森氏)と、グッズ売り場「タイガースショップ」での販売はセール終了後の18~26日を予定している。リーグV時も同様に制作が間に合わず「買うもん、アレへんやん」と店員を問い詰める客もいたが、この日は売り場に混乱はなかった。手ぶらで帰ったファンも「お目当てのぬいぐるみが売り切れていた。18日にまた来ます」と納得の様子だった。
◆虎五郎さん「報われた」
公式戦開幕日に虎の“日本一早いマジック点灯ボード”を掲げることで有名な尼崎中央三丁目商店街(中央三番街)では6日、2002年からアーケードにつり下げられたボードに「祝38年ぶり日本一」の文字が躍った。商店街では「38」や岡田監督の背番号「80」にかけたセールが始まった。
名物ファンも商店街に登場した。熱狂的な阪神ファンで、派手な虎柄の衣装で知られる居酒屋「尼のトラのおばちゃんの店」のオーナー・引田孝子さん(79)は「日本一になったことがうれしくて寝られなかった」と大興奮。阪神グッズを身につけ、虎の頭の模型を背負った沢村虎五郎(とらごろう)さん(52)は「信じられない。38年間、悔しい思いもしてきたが報われた」と喜びをかみしめていた。
◆近鉄百貨店はオリックス声援感謝セール
あべのハルカス近鉄本店では、午前10時の開店前に約300人が列をつくった。同店ではオリックスのリーグ優勝前から「カウントダウンセール」「優勝セール」を続けて開催。今回も日本シリーズ連覇を願って「カウントダウンセール」を行ってきたが、残念ながら「ご声援感謝セール」となった。
広報担当者は「一生懸命、応援しましたが残念でしたね。シリーズ優勝なら2連覇ということだったので、『2』にちなんだ企画や、選手のフォトパネルコーナーも用意していましたが、今回は出さないことになりました。また、来年頑張ってほしいです」と願った。
それでも、選手の背番号にちなんだ値段設定のマフラーや手袋などに行列が。珍商品としては、2億円のダイヤ入りリングが半額の1億円で販売された。