11月2日の夜。都内の焼肉店に男たちが集った。美馬学投手、澤村拓一投手、益田直也投手らが中心に音頭をとって29歳以上の中堅、ベテラン選手たちで一年間の労をねぎらいあう場が設定された。
「シーズン終わったらみんなで食事をしたいなあという話になって声をかけてスケジュールが空いている選手には集まってもらいました」と選手会長も務める益田は振り返る。
約3時間。飲んで食べて笑って大いに盛り上がった。他愛もない話題で沸いたりもしたが、そこはやはりみんな野球人である。話は結局、野球の事、今シーズンのことが中心となった。
「やってよかったなあと思います。みんな、普段は言えないような話もできた。普段はあまり自分の思っていることを口にすることが少ない選手も含めてみんな、思っていることを色々と話してくれた」と益田。
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誰もが口にした。「勝ちたい」、「優勝したい」と。そしてそのためにどうすべきか。自然と意見を交える時間になった。会が深まるとさらに熱を帯びてきた。
「みんなめちゃくちゃいろいろな意見があって、こうあるべきだという持論もあって、今シーズン見ていて思ったこと、感じた事を話することができた。みんなチームの力になりたいと強く想っているのが本当によく分かった。こういう風に食事をしながらざっくばらんに話をする機会は大事だと改めて思いました」(益田)
2023年シーズン。振り返ると最終戦で勝てば2位。負ければ4位というゲームを制して2位となった。本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたクライマックスシリーズファーストステージでは延長十回に3点のリードを許し負ければ終了という土俵際まで追い込まれながら4点を奪い、勝ち上がった。しかし、結果的にはクライマックスシリーズファイナルステージで王者バファローズに敗れた。首位とは15・5ゲーム差という大きな差が残った。差はどこから生じたのか。これから、どうすればいいのか。選手たちは勝った喜びよりも負けた悔しさを今も胸に残していた。だから、みんなで集まった食事会ではそれぞれが愛するマリーンズが優勝するための想いを口にした。誰もが「優勝したい」と語気を強めた。
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「ボクもそうですし、みんな勝ちたいと強く想っている。それをみんなで口に出して言えた事はとてもよかったと思います。本当に熱い会になりました」と益田は充実した表情で頬を緩めた。
熱い食事会が終わり、外に出ると秋の風が吹いていた。秋の匂いがした。2024年はこの季節にまだ野球をしているシーズンとしたい。リーグ優勝をして日本一になる。チームの想いは一つだ。熱く、強い想いをもったマリーンズ戦士たちの次なる戦いは始まっている。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)