原因は単純なヒューマンエラーとのこと。
大分県は2023年11月8日、大分空港(国東市)~大分市間の定期就航を目指して訓練中だった「ホーバークラフト」が、同空港至近で事故を起こしたと発表しました。
運航を担う大分第一ホーバードライブの説明によると、事故があったのは訓練初日となる8日午前7時5分、場所は空港に隣接する発着場の斜路口中央で、1番船「Baien(バイエン)」が斜路に設置してあるガードレールに衝突、船体を損傷したとのこと。なお、けが人はおらず、油や燃料漏れなどもないそうです。
訓練初日に事故 大分の「ホーバークラフト」修理長引く可能性も…の画像はこちら >>2023年8月下旬、大分に初めて到着した際のホーバークラフト「バイエン」(伊藤洋平撮影)。
ただ、「Baien」については船体後部のスカート、ラダー、リフトファンの支柱(ファン本体は無事)、これら3か所を破損しています。会見に出席した伊藤カメラマンによると、「詳しく調査する必要があるものの、現状では2~3か月ほど修理にかかる可能性がある」「修理のため(イギリス本土の)工場に回航しなければならないかもしれない」との説明があったとのことでした。
なお、約2~3か月という修理期間についても、これはあくまでも国内で修理した場合の想定であり、イギリスへ回航することになったら移送だけで2か月程度を要するため、4~5か月はさらに遅れる可能性があるとのこと。交換部品もスカート部分は国内に予備があるものの、それ以外はパーツを別途調達する必要がある模様です。
大分第一ホーバードライブによると、当該パイロットは一級海技士を取得しており、すでにイギリスで20時間の訓練を受けている人物とのこと。全訓練時間が140時間あるうち、残り120時間を始めたところで、技量は十分であったため、単純な操作ミスだとしています。
現状では、「Baien」で訓練再開するのは無理ですが、2番船「Banri」が同日(11月8日)に大分へ到着しているため、同船が県より引き渡されれば訓練を再開することは可能だといいます。
とはいえ、2番船「Banri」も県から引き渡されるまでには最低でも1か月ほどかかるそうで、訓練時間を確保するため、パイロットをイギリスに派遣して、向こうで訓練するかもしれないとのハナシでした。
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2023年11月8日、事故を起こしたホーバークラフト「バイエン」の船体後部。浮揚ファン支柱が破損している(画像:大分第一ホーバークラフト)。
大分第一ホーバードライブは今回の事故について「県有資産を破損させてしまい、また県民の期待を裏切るかたちになってしまい大変申し訳なく思っている」「破損した船体および航走路の設備の修理費については自社で負担する」としています。
県は、大分空港のアクセスを改善すべく2023年度中にホーバークラフトを就航させる予定でしたが、今回の事故により、そのスケジュールを見直す必要に迫られるかもしれません。