那覇地区の小中学校で、1月に少なくとも24校で38人の教職員が不足していたことが16日、県教職員組合(沖教組)那覇支部の調査で分かった。不足している学級では、児童を他の学級に振り分けたり、特別支援学級を統合して担任に充てたりして対応。現場の教員からは「子どもたちに目が行き届かない。このままでは学校が崩壊する」などと悲鳴に近い声が上がっている。(社会部・下里潤)
関連記事「天職のはずだった」 働き盛りで更年期離職した元教員が痛感したこと | ウェブオリジ・・・ 加齢やストレスなどでホルモンの分泌量が大きく減少することに伴い、心身に不調が生じ生活に支障をきたす更・・・www.okinawatimes.co.jp 調査は那覇地区(那覇市、浦添市、久米島町、南大東村、北大東村)の小中学校80校にファクスで依頼。47校から回答があり、半数を超える24校で38人の教員不足を確認した。
調査対象の1月時点では欠員がないものの、それ以前にあったと回答した学校もあり、沖教組那覇支部は「数字は氷山の一角。全県的にも同様の状況が続いている」と指摘する。
教員不足の対処方法は、管理職や初任者研修の加配教員によるカバーが8校、特別支援学級の統合などが5校、児童を他の学級に分散が3校など。時間割を工夫して本来3人の教員で受け持つ教科を2人で対応した中学校もあった。
自由記述では、養護教諭の不在で子どもたちの安全面を懸念する意見や、音楽や理科など専門教科の教員を担任に充て、学びが保障されないとの声があった。
那覇支部の澤岻優子書記長は「学校内で欠員を補うことが日常化すれば教員は疲弊し、新たな病休者を生む懸念もある」と指摘。2021年度の県内の正規教員の割合が約82%と全国最低だったことを挙げ、「教員不足の大きな要因は正規職員の絶対数が足りていないこと。精神疾患による病休率も高く、抜本的な働き方改革も急務だ」と強調した。