神田憲次財務副大臣が税金滞納 差し押さえ4回 辞任否定も野党から「不適材不適所だ」

自民党の神田憲次財務副大臣は9日の参院財政金融委員会で、2013年から22年にかけて自身が代表取締役を務める会社が保有する土地・建物の固定資産税を滞納し、4回にわたって差し押さえを受けていたことを明らかにした。「お騒がせしていることを大変申しわけなく思う。深く反省している」と陳謝した上で「引き続き職務の遂行に全力を傾注する所存だ」と、辞任しない考えを示した。
神田氏は税金の滞納に関し、「(国会議員となり)税理士業務の比重が落ちた。文書管理なども希薄になっていた」と説明。納税の督促状などへの対応は事務所スタッフに任せていたとし「(自身は)業務多忙で関知できなかったのが実情」と釈明した。
また、税理士の資格を持ちながらも税理士に義務付けられた研修を受講していないことも認めた。受講免除の申請もしておらず「税理士法上の問題が生じ得ると思っている」と述べた。
神田氏は衆院愛知5区選出(当選4回)で、安倍派所属。内閣府政務官などを経て、9月に財務副大臣に就任した。金融財政政策に精通し、明るい人柄への評価がある一方、4年連続で政治資金収支報告書を期限内に提出しないなどルーズな一面も。地元議員との摩擦も抱え、2017年には党愛知県連が党本部への公認申請を見送る異例の事態に発展したこともある。
岸田政権の経済政策の要を担う財務副大臣の“税”不祥事に野党からは批判の声が上がった。立憲民主党の長妻昭政調会長は「不適材不適所だ」とばっさり。山田太郎文部科学政務官が女性問題で、柿沢未途法務副大臣が公選法違反事件への関与でそれぞれ辞任した事例に触れ「所管不祥事の3人組だ」とも語った。共産党の小池晃氏は同委員会で4回の差し押さえに「確信犯的に納税しなかったと見られても仕方がない」と指摘。「副大臣の資格はない」と責任を追及した。
松野博一官房長官は記者会見で「本人が政治家としての責任において適切に説明することが重要と考えている」と述べた。