「航空機の設計ブチ破ります」 “超異形”40人乗り民間機誕生か!? 翼動くしプロペラ8発だし

「空飛ぶクルマ」とはちょっと違いそう。
ヨーロッパを拠点とする新興航空機メーカー、LYTE Aviationでは、40人乗りの民間航空機LA-44「スカイバス」の開発を進めています。この機について同社は「ほかの次世代航空機の外観設計を打ち破るものだ」とコメントしているとおり、これまでの民間航空機とは全く異なる機体デザインを特徴としています。
「航空機の設計ブチ破ります」 “超異形”40人乗り民間機誕生…の画像はこちら >>LYTE AviationのLA-44「スカイバス」(画像:LYTE Aviation)。
LA-44は最大速度300km/hで、1000kmの航続距離を持ちます。垂直離着陸に対応しているため滑走路を必要とせず、そのことから、バス、電車などの代わりになる次世代航空モビリティとして活用できるとのこと。いわゆる「空飛ぶクルマ」とも似たようなコンセプトですが、旅客機なみの人数を収容できること、動力が「電気」「水素」といったものだけではないのが特徴です。
最大の特徴は8発のプロペラ推進装置と、翼を全面的に動かし角度を変えることで垂直離着陸と高速巡航の両立を実現する「ティルト翼」、そしてその主翼が2枚備わった「ハイブリッド電動タンデム ティルト ウィング設計」という翼構成です。
8基のプロペラ推進装置のうち、4基は現在のプロペラ旅客機で一般的なターボプロップエンジンを、もう4基は水素燃料電池を搭載した4基の電気モーターを搭載しています。前者はおもに推進を担い、後者は翼端に設置することで姿勢制御や安定性向上のために設置されています。
ターボプロップエンジンを設置した経緯について同社は、「将来的には水素電池の利用が目標になると予想されるものの、従来型でも信頼性が高いことから、当面は当社の航空機開発にとって最良の選択肢だ」とコメントしています。
同社によるとLA-44は、現在のヘリコプターよりも燃料効率が5倍高くなるように設計されたとのことです。同社では2025年までに試作機を制作する予定としています。