「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属する大阪市の40代男性が大阪府内で死亡していたことが14日、関係者への取材で分かった。自殺とみられる。問題を巡っては、当事者の会に対する誹謗(ひぼう)中傷がSNS上で相次いでおり、会の一部メンバーが警察に名誉毀損(きそん)容疑などで刑事告訴したり、被害届を提出したりしている。
関係者によると、男性は10月中旬、同府箕面市の山中で見つかり、死亡が確認された。近くに遺書とみられるメモが残されていた。男性は旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長(2019年死去)からの性被害を訴えていた。
男性の遺族が代理人弁護士を通じて公表した書面などによると、男性は今年5月、旧ジャニーズ事務所に在籍していた19歳の頃に性被害に遭ったと同事務所に電話で伝えたが、折り返しの連絡はなかった。その後、当事者の会に加入。SNS上で誹謗中傷が相次いだため、自らもその対応に当たらなければならなくなった。「なぜ被害者だけが負担を負わなければならないのか」とこぼしていたという。
男性の遺族は「(旧ジャニーズ)事務所からはなんの応答もなく(訴えを)放置され、彼の焦燥感、悩みは深まっていました」とするコメントを公表。代理人弁護士は「(同事務所に)真摯(しんし)で適切な対応を求める」としている。
旧ジャニーズ事務所から社名変更したスマイルアップは「ご遺族に対し誠心誠意対話をさせていただく。被害に遭われた方やご家族への誹謗中傷は絶対に止めていただくよう、引き続きファンクラブをはじめ社会に対する発信に努めてまいります」とコメントした。
〇…自身も誹謗中傷を受けたとして警察に被害届を出している元ジャニーズJr.の飯田恭平さん(35)はXで「辛かったですよね。心よりご冥福をお祈りします」と悼んだ。歌手のカウアン・オカモト(27)は「僕が一番恐れていたことが起きてしまいました。どうか皆さん慎重に愛を持って発言してください」、俳優の橋田康(38)も「沢山の想いがあると思うけど、本当にお願いします。一度ブレーキを」とXで呼び掛けた。
◆厚生労働省が自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。
▼いのちの電話 (0570)783556(午前10時~午後10時) (0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル (0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン (0120)279338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは(0120)279226(24時間対応)
▼あなたのいばしょ チャット相談 https://talkme.jp/(24時間365日対応)