歌舞伎町・悪質“中年”ホストの哀れな事情…「まだカネあんだろ」と女性客の顔面殴打し恐喝逮捕

「まだカネあんだろ、オー」
歌舞伎町の中年ホストは女性客を脅し、売掛金を取り立てていた。
勤務先のホストクラブの女性客を殴り、売掛金の返済名目で現金を奪ったとして、住所不詳でホストの瀬井聴弥容疑者(35)が14日、恐喝と傷害の疑いで警視庁蒲田署に逮捕された。
9月29日午後10時ごろ、瀬井容疑者は東京都台東区で水商売をしていた30代の女性の職場近くに押しかけた。呼び出した女性が店から出てくると、自分の車に乗せ、約束していた売掛金の一部、現金20万円を受け取った。それだけでは満足しなかったようで、「まだカネあんだろ」と言って女性の顔面をいきなり殴打。女性を車に乗せたまま、大田区内の女性宅に向かった。
「家にカネあんだろ」
瀬井容疑者は自宅から金を取ってくるよう命じたが、女性が「もうありません」と答えても、近くのコンビニに立ち寄り、ATMで預金を引き出させ、女性から現金10万円を奪い取ったのだ。
「女性は瀬井に500万円ほどの売掛金があり、当日、その一部を返済する約束をしていたが、20万円では納得がいかず、急にキレた。女性は顔面に全治10日間の打撲を負い、3日後、自宅近くの蒲田署に被害届を提出した」(捜査事情通)
2人は数年前から客とホストの関係で、売掛金がたまっていた。
「瀬井はちょっと前まではそこそこ売れていたようですが、すでに35歳と、ホストの世界ではかなりの年齢です。さすがに寄る年波には勝てず、若くイキのいいイケメンホストもどんどん入店するため、指名も減っていたようです。売掛金が回収できなくなるのではないかという不安と、売り上げが減る焦り、店への支払いが必要なことから犯行に及んだようです」(捜査事情通)
調べに対し、「殴って現金を受け取ったが、怖がらせてはいない」と供述している。
今年に入って東京・新宿区歌舞伎町の大久保公園や大阪・アメリカン通りでは、ホストに多額の売掛金を背負わされた女性客が返済のため、立ちんぼをさせられ、次々摘発。
今月5日未明には歌舞伎町の路上で、上下白色のスエットを着た20代の女が「1000万円以上使って、許せない。私の人生をぶち壊したのに。くそガキが」などと叫びながら、20代ホストの首元をカッターナイフで切り付ける事件があった。
■国会も問題視
立憲民主党は女性が借金をしてまでホストクラブに通い、経済的、精神的に追い詰められている状況を問題視。問題に対応するため、被害を未然に防止する法案提出を検討中だ。
国会はどこまで「切った張った」の色恋沙汰に切り込めるのか。