今年の紅白「見る」は4割! 「期待する出場歌手」はano、10-FEET 、YOASOBIときて、堂々の1位は?〈渋谷の街頭で300人に聞いた〉

今年も大晦日の風物詩、第74回「NHK紅白歌合戦」の出演者が11月13日に東京・渋谷のNHKホールで発表された。年末の歌の祭典である紅白だが、今回、旧ジャニーズ事務所所属のアーティストの出場はなく、世間からは不満の声もあがっている。そこで集英社オンラインは、渋谷の街頭で300人を対象にアンケートを実施。#1では“紅白に対する本音”と“注目する紅白アーティスト”の結果をお届けする。
第74回NHK紅白歌合戦の出場歌手44組が11月13日に発表された。しかしSNSなどでは「華がない」「見る気がしない」などの意見も散見されている。そこで、集英社オンラインは今年の紅白をテーマに、「見る? 見ない?」「紅白で注目したい歌手は?」の2つの質問で300人を対象に街頭アンケートを実施した。まずは「今年の紅白は見る? 見ない?」に対しての回答だが、驚くことに「見る」が132人、「見ない」が168人と、見る予定の人が半数を切るという、国民的年末音楽番組としては寂しい結果になった。見ない理由としては「年末にテレビを見て過ごすことがなくなった」というライフスタイルの変化に加えて「ジャニーズタレントが1組も出ないから」といった出演者の選定への不満も聞こえてきた。とはいえ、今年もAdoやYOASOBIといった、若者や海外から絶大な支持を集める歌手も名を連ねている。そこでもうひとつのアンケート項目「紅白で注目したい歌手は?」の結果をランキング形式で発表していこう。
10位 キタニタツヤ 7票
新しいアー写です見送るひとPhoto : Takeshi YaoStyling : Yuji YasumotoHair & Make up : Tatsuya SuzukiFlower Arrangement : Milena Nomura (Camille) pic.twitter.com/9XkIh86K31
10位は今年初出場となる「キタニタツヤ」。2014年頃からボカロP“こんにちは谷田さん”としてネット上に楽曲を公開し、2017年には作家として楽曲提供をしながらソロ活動も開始。アニメ『BLEACH 千年血戦篇』やアニメ『呪術廻戦』の2期「懐玉・玉折」のオープニング曲を務めるなどの活躍で、若者やアニメファンを中心に人気を集めている。「人気アニメのOPっていう花形を任されているし、勢いはソロアーティストの中でも随一だと思います」(20代男性・飲食)「曲はもちろんいいとして、実はネットでもネタにされるおもしろいお兄さんってキャラなので、そんなキタニさんを国民的番組で見られるのがうれしい」(20代女性・事務)
9位 Stray Kids 8票
Stray Kids『★★★★★(5-STAR)』より
8人組のK-POPアーティスト「Stray Kids」(通称スキズ)は今年、3枚目のアルバム『★★★★★(5-STAR)』が米ビルボードのメインチャート「ビルボード200」で1位を獲得したほか、461万枚超の初週売り上げを記録した。日本では8月から10月にかけてドームツアーも成功させており、国内でも申し分ない活躍ぶり。「音楽番組に最近よく出ていてみんなイケメンだったから、かっこいい枠として楽しみにしてます」(20代女性・販売)「若い世代でハマってる人が多いみたいで、職場の女の子たちにも見るように勧められてるんですよ」(40代男性・会社員)
8位 乃木坂46 10票
乃木坂46『おひとりさま天国』より
今や国民的アイドルとして名高い「乃木坂46」が8位にランクイン。9年連続9回目の出場となる。今年は最後の1期生、2期生が卒業し、世代交代の年となったが、その活躍は健在のようだ。「世代交代してから初の紅白なので、今後のためにも大きく注目されてほしいです」(20代男性・大学生)「まだあまり世に知られていない5期生たちをいろんな国民に知ってもらうチャンスだと思います。かわいいのでぜひ見てほしいです」(10代女性・高校生)
7位 すとぷり 11票
すとぷり『ニジイロヒストリー』より
7位に選ばれたのは、メディア出演時はイラストやアバターで出演し、ライブだけは本人が顔出しで登場するインターネット発のグループ「すとぷり」。ネット世代である10代女子から圧倒的人気を誇るグループだ。紅白ではどのような形で出演しパフォーマンスを披露するのか、すでに話題を呼んでいる。「すとぷりが紅白で結果を残してくれたら、この先のバーチャルアーティストたちが進出する足がかりにもなると思うので期待してます」(10代女性・大学生)「娘が好きで、家族の話題作りのために一緒に見ていたらいつの間にかハマってしまいました。新しい文化に目を向けるいいきっかけになると思います」(50代女性・主婦)6位 Mrs. GREEN APPLE 13票
【NEWS】Mrs. GREEN APPLE、「第74回NHK紅白歌合戦」への初出場が決定しました結成10周年の集大成として感謝の気持ちを込めて、全力でパフォーマンスします▼公式HPhttps://t.co/FhBlxx5ryJ#MrsGREENAPPLE#NHK紅白 pic.twitter.com/7bTID5yh04
今年、結成10周年を迎え紅白初出場を決めた「Mrs. GREEN APPLE」。2020年にフェーズ1完結として活動休止し、去年はフェーズ2としてメンバーが3人となって活動再開。伸びやかな高音と爽やかなメロディーが特徴的で、今、若者が注目するバンドの筆頭が6位に選ばれた。「活動休止前も学生人気がすごかったですけど、活動再開してからは学生だけでなく大人でも“聴いたことある!”って人が増えたバンドになった気がします」(20代女性・大学生)「CMでも曲を聴いたことがあるし、最近の邦ロックに詳しくない人でも人気のバンドだとわかるから紅白にふさわしいと思います」(30代男性・I T)5位 櫻坂46 15票
櫻坂46『承認欲求』より
昨年、紅白の出場を逃し、キャプテンである松田里奈がTBS系「THE TIME,」で悔しい思いを吐露していたが、晴れて紅白に返り咲いた。今年はパリやマレーシアで「Japan Expo」に出演するなどその活躍は国外にも広がっている。「去年、坂道グループで櫻坂46だけ出られなくて残念だったので、今年見られるのが嬉しいです。日本にもかっこいいアイドルグループがあるっていうのを世間に知ってもらいたいです」(10代男性・大学生)「あまりアイドルは見ないんですけどパフォーマンスがかっこいい。でも日本のアイドルだから親しみやすさもあってハマりました」(20代女性・販売)
4位 ano 18票
ano『スマイルあげない』より
独特な声と話し方、また時々突拍子もない発言を繰り出すキャラで、バラエティ番組にも引っ張りだこの、あのちゃんが、歌手名義の「ano」として紅白初出場。実は2013年から2019年まで「ゆるめるモ!」でアイドル活動をしており、2020年からソロでアーティスト活動を再開。バラエティとはまた違った正統派歌番組の紅白だが、あのちゃんらしいパフォーマンスができるのかに注目が集まる。「TikTokでも散々聴きましたし、きっと紅白出るだろうなとは思ってましたよ。あの気だるい感じでパフォーマンスしてくれたら最高ですね」(20代男性・大学生)「アイドル時代から知ってるんですけど、元々はライブ中も暴れるすごいキャラだったので、そういう“らしさ”を紅白で見せてくれたらなって思ってます」(20代女性・会社員)
3位 10-FEET 20票
10-FEET『第ゼロ感』より
3位に選ばれたのは、今回紅白初出場となる3人組ロックバンド「10-FEET」。結成25年超のベテランバンドだが、昨年12月に上映された映画『THE FIRST SLAM DUNK』の主題歌「第ゼロ感」が大ヒットし、今回の選出に繋がった。会見に寄せられたビデオメッセージでは、メンバーから原作者・井上雄彦と東映の映画関係者への感謝が述べられた。「10-FEETのようなバンドが紅白に出られるなんて、ロック好きな人たちは夢にも思わなかっただろうから、これを機にロックバンドの枠を増やしてほしいです」(30代男性・自営業)「スラムダンクの映画を見た人は世代を超えて多いでしょうから、紅白のような国民的番組に選ばれたのも納得です」(20代女性・看護師)2位 YOASOBI 23票
YOASOBI『THE BOOK 3』より
小説から着想を得て音楽にするユニットとして有名な「YOASOBI」。ブレイクした2020年、2021年と連続で紅白に出場したが、去年はコラボ企画でメンバーの幾田りら個人での出場のみだった。しかし今年はアニメ『推しの子』の主題歌である「アイドル」、アニメ『葬送のフリーレン』の主題歌である「勇者」と、話題作のOP曲を立て続けに発表。アンケートではYOASOBIを目当てに紅白を見るという声が多かった。「やっぱり『アイドル』は今年1番耳にした曲だと思うし、海外でも流行ってるから選ばれて当然だと思います」(10代女性・高校生)「正直、ふだんはあまり紅白見ないんですが、幾田りらちゃんの生歌が聴けるから今年はちゃんと見ると思います」(20代女性・大学生)
1位 Ado 25票
Ado『唱』より
栄えある第1位を獲得したのは、去年は「ウタ」として出場し、本人名義では今回初出場となる「Ado」。今年は年初からめざましい活躍を見せており、4月からはニッポン放送で「Adoのオールナイトニッポン」がスタート。また、さまざまなアニメやドラマの主題歌も担当し、特にユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハロウィンイベントとのコラボ楽曲「唱」はTikTokでも大バズり。総再生回数は23億回を超え、「Billboard Japan Hot 100」では、自身3曲目となるチャート首位を獲得した。来春にはワールドツアーも控えており、名実ともに日本を代表するアーティストとなった。「去年はウタとしてだったけど、今年はAdoとしてだからどんな風にパフォーマンスしてくれるのかも含めて楽しみです」(20代女性・販売)「去年アメリカのレコード会社と契約し、来年にはワールドツアーと、世界的アーティストになったのは間違いないので、日本の誇りです」(20代男性・美容)今回のアンケートで特に注目を集めていたのは、Ado、YOASOBI、すとぷりなどのインターネット発のアーティストたちだ。アーティストのジャンルやそのファンダムが細分化される現代においては、インターネットを中心に多くの人に届けるという戦略は、テレビの音楽番組出演よりも有効なのかもしれない。
#2では同じく渋谷の街頭で300人に聞いた「今年の紅白歌合戦に出場してほしかった歌手は?」のアンケート結果を詳報していく。取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班