人間を肥料にする「堆肥葬」が米国で合法化進む 火葬は環境に悪影響か

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土葬や火葬といった伝統的な葬儀に代わり、人間を死後に「堆肥化」する方法が最近、アメリカの6つの州で合法となった。この「地球にやさしい葬儀」は、ヨーロッパの人々からも注目を集めているという。『euronews green』『The Guardian』などの海外メディアが報じた。
人間の堆肥化、あるいは「テラメーション」とも呼ばれるこの葬儀の方法は、死体を有機物に分解し、完全に土に還すことを目的としている。
そしてテラメーションは、世界のほとんどの国で採用されている火葬や土葬といった葬儀のプロセスと比較して、極めて「環境にやさしい」ことが特徴だという。
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テラメーションを推進する環境団体によると、従来の火葬は1回で245キロの二酸化炭素を排出する。これは携帯電話を2万9,000回充電するのに匹敵するという。
一方で土葬もまた、防腐処理に使用される化学薬品が土壌や水質汚染を引き起こす可能性があるほか、墓地のために広いスペースを確保することも問題となる。その点でテラメーションは「持続可能な葬儀」として、より多くの人々に支持されるだろうと、活動家たちは主張している。
アメリカのワシントン州、コロラド州、オレゴン州、バーモント州、カリフォルニア州、ニューヨーク州の6州で合法化されている堆肥化のプロセスでは、死体は気密容器にアルファルファ植物やおがくずの混合物とともに入れられる。

これらは自然に熱を発生させ、熱によって微生物の働きが活発になり、約30日から50日で体は有機物(堆肥)に変化する。なお、このプロセスで骨と歯は分解されないため、専用の機械を通して粉砕され、残りの土と混ぜ合わされるという。
テラメーションは現在多くの国で利用できないが、ヨーロッパの国々ではこうした新しい葬儀への取り組みに注目が集まっている。
英国では成人4,987人を対象としたYouGovの世論調査で、約44%の人が死後に堆肥化されることをおそらく、または確実に検討すると回答している。また、アイルランドでは、ヨーロッパ初の液体で死体を分解する「水葬施設」が数ヶ月以内にオープンする予定だという。
(文/Sirabee 編集部・びやじま)