精神保健施設の入院患者が自作凶器で自殺 目を離した看護師らの勤務態度に問題あり

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精神保健施設に入院中の男性患者が、看護師の監督不行き届きで自殺した。男性の一連の行動は監視カメラに記録されており、看護師の怠惰な業務に波紋が広がっている。『Mirror』『DailyMail』がレポートした。

精神保健施設に入院していたブレンダンさん(当時20)という男性が、自室のトイレで自殺を図った。意識のない状態で発見され病院に搬送されたが、酸素不足による脳死と宣告された。
ブレンダンさんの家族は息子の死を無駄にしないようにと臓器を提供し、勲章を受けとったという。
生前のブレンダンさんを診療した精神科医は、精神保健施設に入所させるよう緊急要請していた。そしてこの施設に入所が決まったものの、ブレンダンさんは「男性病棟への入居に3週間かかる」と告げられていたという。
ブレンダンさんの自殺は、施設に入ってわずか4日目の出来事だった。

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ブレンダンさんが自殺に至る経緯は、監視カメラに録画された1時間にわたる映像から、明らかになってきた。
朝9時35分、ブレンダンさんが椅子に腰かけ何かを作る姿が映っている。そのころ、一人の看護師が机にあぐらをかいて座り、電子タバコをふかしながら携帯電話の画面をスクロールしている。
9時38分には、別の看護師が同僚の髪の毛を数分かかって整えていた。10時16分にブレンダンさんはトイレに行くために部屋を出ていき、10時29分、意識不明で発見された。
ブレンダンさんが一人になった20分間に、自作した刃物のようなもので自ら命を絶ったのだった。警察が映像を分析したところ、看護師がブレンダンさんを監視していた時間は、わずか3分にも満たなかったという。

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ブレンダンさんの家族や主治医によると、彼は以前に自殺未遂を図っており、安全な場所への移送が求められていたという。自宅で診療を受けた際に、医師は「自分自身に対するリスクがある」とはっきり警告していた。
ブレンダンさんが同施設に入所した際、私物はすべて検査されており、凶器になり得る物は所持していなかった。しかし自殺に使用するため隠し持っていたのか、何らかの備品で凶器を作ったのではないかとみられている。
検察から映像を公開されたブレンダンさんの母親は、看護師らの怠惰な勤務態度を見て、その場で泣き崩れたという。この件は裁判にかけられ、陪審員は看護師らのケア不足と総合的な要因により起こったとの見解を示した。

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