少雨による干ばつが原因で、沖縄県の南北大東村が2023~24年期のサトウキビの生産量を約6千~1万トンの減産と見積もっていることが分かった。前年期と比べて、南大東は約14%、北大東は約26%が減り、過去5年間で最も低い。収穫は来月から始まる。両村の1~10月の降水量合計は統計開始以来最少で、平年値の約半分となっている。 南大東村が17日までに出したキビ生産見込みは7万5千トン。前年期の生産実績より約1万1千トンの減産となる見通しだ。同村の1~10月の雨量は計630・5ミリで、平年値の約45%にとどまる。村内の貯水池の貯水率は2日時点で計23・7%まで落ち込んでいる。 村内のキビ農家・儀間勉さん(66)は「農家の収入にかなり影響するだろう。物価高で生産コストも上がっている。今後、国に支援を要請したい」と話す。JA関係者は「出来栄えの差がはっきりしている。今年はまとまった雨が本当に少なく、実際の収穫量はもっと落ち込むかもしれない」と警戒した。 北大東村のキビ生産見込みは約1万7313トン。前年期より約6128トンの減産となる見通しだ。同村で今年10カ月間に観測された雨量は計656ミリで、平年値の約52%。貯水池の貯水率は8日時点で計39・2%だ。村の担当者は「貯水池の水は有料なので、農家も考えながら使っている。既に底をついた貯水池もあり、水をまくにも労力がかかる。やはり自然の雨には勝てない」と語った。 少雨の原因について南大東地方気象台は「台風が4個接近したものの、まとまった雨が降らず、梅雨前線も停滞しにくかった」と分析した。(南部報道部・国吉聡志)サトウキビの収穫は間近だが…南北大東島を支える産業、干ばつで…の画像はこちら >>