大阪・関西万博に〝逆風〟吹き荒れる開幕500日前、11・30前売りチケット販売開始 お得入場券&購入手順を紹介!

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博=以下・万博)開幕まで、11月30日でいよいよ500日となる。建設費高騰や、撤退の意向を示す国も出るなど“逆風”が吹き荒れる中、同日から前売りチケット販売が始まる。会期中に販売される1日券は大人7500円だが、せっかくなら安く、お得に入場したい。チケット購入方法を博覧会協会広報の山城成広さんに聞いた。
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■まずは「万博ID」登録
―チケットを買うための準備は。
「チケット購入に必要な『万博ID』を取得するための登録サイトを6日から開設しているので、まず『万博ID』を取得してください。メール登録ですぐに取得できます」
―万博IDはチケット購入にのみ利用か。
「万博の各種サービスでも利用できる共通のログインIDです。一つのIDで、公式販売のWEBサイトから家族分の入場チケットを代理購入できるほか、来秋以降に始まる来場日時予約、パビリオンやイベント、展示などの観覧抽選申し込みも可能となります」
■会期中の1日券7500円が…
―チケットのお得な購入方法は。
「会期中の1日券は大人7500円です。前売りで、前半の開幕券は4000円。前期券だと5000円と、会期中に買うより、かなりお得です」
―なぜ会期の前半は安い?
「どうしても後半に来場者が増える傾向にあります。混雑を分散させ、快適に過ごしていただけるように、前半に来場していただけるよう、様々なチケットを用意しています」
―何回も行きたい人にお勧めは。
「(夏季限定の)夏パスは午前11時以降に何度でも入場可能で1万2000円。通期パスも午前11時以降に何度でも入場できて3万円です。入場時間は午前9時からですが、混雑を緩和するため(パス購入者は)11時以降としています。通期パスも、混雑が予想される最後の10日間はご入場いただけません」
―開幕してから買えるお得なチケットは。
「夜間券は午後5時以降の入場で、午後10時まで楽しめて大人3700円です。関西近郊での仕事帰りや、デートなどにもお勧めです」
■入場時はQRコードで
―チケット販売はQRコードの電子チケットのみか。
「パソコンやタブレットなどの操作に不慣れな方も買えるように、旅行代理店や各種プレイガイドからも購入できます。ただし、来場にあたっては来場日時予約が必要になります」
―手元に残る紙の記念チケットがほしいのでは。
「紙の記念チケットを販売できないか調整中です。記念チケット購入用サイトもオープン予定ですのでご利用ください。基本的にはスマートフォンなどの電子チケットで入場し、各パビリオンの入場も電子チケットで行います」
―1日ごとに入場制限は。
「来場予約サイトでは、時間ごとに区切って入場者を調整しています。予約サイトですでにいっぱいになっている枠には申し込みできないので、行きたい時間が決まっている人は早めに申し込んでください」
―スマートフォンでのQRコード入場。夢洲の電波状況は。
「対応できるようにインフラの整備していきます」
―チケットを表示して、写真もたくさん撮ることを考えるとスマホの電池が心配。
「充電できる設備の整備も検討していますが、恐らく殺到すると思います。念のためQRコードを印刷した紙を持っていると、電池切れでパビリオンの入場ができないということはありません」
―チケット購入後の注意は。
「開幕券や前期券を購入された方は特に、半年前からの来場日時予約を絶対に忘れないでください。購入から約1年後の予約開始になるので、協会からも『万博ID』に登録されているメールアドレスにお知らせを送る準備はしています」
◆噴出する万博開催への懸念
▼費用高騰 2018年の当初計画では会場整備費を1250億円としていたが、20年には1850億円に増額。さらに今年には2350億円に上振れしており、国、大阪府・市、経済界の3者がそれぞれ負担することになる。物価や資材、人件費の高騰を主な理由にあげている。
▼アクセス 会場となる夢洲(ゆめしま)へは、大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅から延伸した路線の夢洲駅利用と、新大阪や梅田など主要10駅と会場を結ぶシャトルバスが中心。また、水上交通も予定している。車はタクシーや貸し切りバスのみで、自家用車での乗り入れは不可。1日最大約23万人を見込んでおり、通勤や帰宅ラッシュと、渋滞が懸念されている。目玉の「空飛ぶクルマ」はあくまでも実証実験であり、アクセス手段ではない。
▼優勝パレード“便乗”批判殺到 今年の日本シリーズは阪神とオリックスが対戦して59年ぶりの「関西ダービー」で盛り上がった。両球団のリーグ優勝を祝うパレードを11月23日に大阪は御堂筋、兵庫は神戸市の三宮で開催するが、概要発表会見に両球団マスコットではなく万博公式キャラクター「ミャクミャク」が参加。パレード副題に「2025年大阪・関西万博500日前」と掲げ、ファンから批判が殺到。また、クラウドファンディングでパレード費用を集めているが、締め切り日が開催日までではなく、11月30日までとなっており「スポーツを万博に利用するな」といった声が上がっている。
▼現地の今 1000日前までは更地だったが、現在はシンボルとなるリングの一部ができあがっており、日本政府館の起工式も9月11日に行われた。だがここにきて、国内事情により、メキシコ、エストニアが撤退するなど、不安定な状況が続いている。