速報! な、な、なんと、あの久兵衛屋が看板メニューである「肉つけ汁うどん」を最近リニューアルしたらしい。
……えっ? あの久兵衛屋ってどの久兵衛屋だ、って? オイオイ、勘弁してくれよ~。っていうか、イチイチ言わせないでくれよ~。久兵衛屋といえば、”うどんチェーンで一番ウマいうどん屋”の久兵衛屋に決まっているじゃないか!
ということで、今回は久兵衛屋の魅力を改めて深掘りしてお届けしよう。関東圏にお住まいのみなさんは、ぜひご注目いただければ幸いだっ!
○▼安くなったのにウマくなった!?「肉つけ汁うどん」がリニューアル!
久兵衛屋は「武蔵野うどん」をウリにしているだけあって、やはりかつて「武蔵国」(むさしのくに)と呼ばれたエリア……つまり埼玉県~東京都あたりを中心に展開しているうどんチェーンである。故に、関東圏以外にお住まいのみなさんがその存在を知らないのは無理もない。無理もないんだけど、本当に本格的で美味しいからぜひ一度味わってほしいんだよな~。
……えっ? そもそも武蔵野うどんって何だ、って? まぁこれも関東圏以外にお住まいのみなさんが知らないのは無理からぬこと。
武蔵野うどんというのは、讃岐うどんよりも麺が太く、コシも強く、ゴワゴワとした弾力と麺の重量感が特徴的なうどんのこと。ちょっと大袈裟にいうと、普通のうどん=中華そば、武蔵野うどん=ラーメン二郎みたいな感じか。もちろんそんな単純じゃないし、もっと繊細なんだけど、あくまでイメージとしてね。
ちなみに、武蔵野うどんは茹で上げたうどんは冷水で締め、温かいつけ汁で食べるのが基本的な食べ方とされている。要はラーメンというより、つけ麺的な食べ方がベーシックなのだ。
その代表的なメニューが、久兵衛屋も看板メニューに据えている「肉つけ汁うどん」(並盛 649円)である。これがもうマジでウマいのよ。肉も麺も出汁もリニューアルしたらしいけど、一体どのように変わったのだろうか。
……えっ!? ちょっと待って、値段がおかしいぞ? これ、もともと693円だったよね? 値下がりしてるやん! 物価高の時代なのに、逆に安くしてるやんけ! 神かよ!
じゃあ……いい? そろそろ注文しちゃっていい?
はいキタ~! 相変わらずめちゃくちゃウマそう!
ご覧くださいませ、このつけ汁を! 豚肉のエキスが全体に行き渡っているのがよくわかるでしょう? たまらんのですよ! このジャンク感っていうの? 関西系の透き通った薄めの出汁とは真逆の、黒くてコッテリした感じね! これが江戸っ子にはたまらんのですよ!
そして見てくださいよ、この具沢山っぷり! 箸をさっとくぐらせるだけでこんなに大漁なんよ。表面に浮かんでいるとかじゃなく、お椀全体に具材がたっぷり入ってる感じ。どうやら武蔵野っ子は”ケチる”という言葉を知らないらしい。サービス精神、マジでパねぇ……!
そしてこの麺! バキバキに仕上がってるでしょ? 丸みを帯びた讃岐うどんとは違って、角が立っているというか、立体的なんよ。筋肉質なんよ。でもしなやかさもあるっていうね。
ちょっと興奮してしまったが、そろそろ実際に食べてみよう。
まず、このバキバキの麺を掴んで……
つけ汁にくぐらせて……
いただきます!
……ウマし。マジで……ウマし!! うわ~……やっぱりうま~っ。なんかもはや笑えてくるわ。チェーン展開できるクオリティじゃないでしょ(笑)。よくこれだけのハイレベルでチェーンやれてんな! 職人が作ってるとしか思えないんよ。
実際に食べてみると、たしかに味は変わってる。つけ汁については、出汁というよりカエシのほうをリニューアルしたようで、以前よりも丸みというか、尖っていた部分がややまろやかになって、ちょっと柔らかな甘みが加わっているような気がする。でも、醤油のコク、出汁の旨みはしっかりと際立っている。飲める。もはや飲めますよ、このつけ汁。
麺もやや太くなっているようだ。ほんのり柔らかくなっているが、コシはしっかり残っている。つけ汁がよ~く絡んでめちゃくちゃウマい! ちなみに久兵衛屋って、うどんを毎日店で打っているらしいよ。つくづくこだわりがスゴいわ。
そしてこの豚肉ね。肉質はジューシーで厚みがあり、食べごたえ抜群。今回のリニューアルでイベリコ豚に変更したらしい。濃いめの醤油出汁との相性も最高である。しかも量もたっぷりと入っていて、とても590円で食べられるクオリティじゃないんよ。590円で食べられるうどんとしては、日本最高峰のレベルだと断言していい。マジですごすぎる。980円くらい取られても文句を言う人なんていないんじゃないの、コレ……。
実は油揚げと長ネギも良い役目を果たしていて、油揚げはつけ汁の旨みをたっぷり含んでいるので、噛むたびに出汁の旨味が追加されるし、ネギはシャキシャキした食感を楽しませてくれる。
味変としては七味唐辛子が最高。甘みのあるつけ汁にピリッとした辛味がよく合う! 辛いのが苦手でなければ、絶対に試してみてほしい。
さて、今回のリニューアルに合わせて、「野菜つけ汁うどん」(並盛 649円)という新メニューも新たに加わったらしいのだが、これも気になって仕方がないのだが……イケるかな? イケるよね? 2杯くらいイケるよね?
はい、いっちゃいました!
半日分の野菜がこれ一杯で摂れるというだけあって、超~具沢山。器の中はぎっしりと野菜まみれでございやす。
さっそく食べてみると……
間違いない……! 「肉つけ汁うどん」とは打って変わって塩味のつけ汁で、野菜の旨味や出汁の旨味をストレートに味わうことができる。イメージとしては醤油ラーメンとタンメンの違いというか……っていうか何回ラーメンに例えてるんだ俺は。
野菜は白菜、小松菜、玉ねぎ、ニンジン、キャベツを使用しているようで、ジャクジャクした食感が最高。細かく刻まれているので、うどんとの馴染みもいい。イベリコ豚も入っているので、肉的な満足感がちゃんと担保されているのも嬉しい。
こちらはラー油での味変がおすすめ! マイルドな塩つけ汁にピリリッとした辛味とコクが加わって、食欲をさらに刺激してくれる。
最後に、久兵衛屋を訪れた際は、ぜひ「かりんとう饅頭」(1個99円)を味わってほしい。こういうお店の締めって、大体アイスクリームとかじゃん? もちろん久兵衛屋にもアイスクリームはあるんだけど、このかりんとう饅頭はかなりオリジナリティも高いうえにめちゃウマ。
しかも注文後に店内で揚げてくれるからアツアツでウマウマなのよ。
揚げてあるから生地の外側はザクザク食感。黒糖のまろやかな香りと甘みが絶妙である。中のこし餡もなめらかでウマい。
こちらは期間限定メニューの安納芋のかりんとう饅頭(1個99円)。安納芋のナチュラルな甘みとねっとりした口どけが素晴らしい。熱々な感じも安納芋らしいホクホク感を演出しており、これはかなり芸術点が高い……! しかもこれで1個99円ってバグでしょ? ウマさと値段がいい意味で見合っていない。
リニューアルした「肉つけ汁うどん」だけを食べるつもりだったが、つい胃袋を刺激されて爆食してしまった。結果、改めて久兵衛屋はウマいと再確認できたし、未体験の人はぜひこの最強うどんチェーンの底力を堪能してほしい。マジでうどんもスイーツも、ウマさと値段が本当に見合ってないから。うっかり者の経営陣がそこに気付いて値上げする前に、ぜひ。