いわゆる「大麻グミ」を食べて体調不良を訴える人が相次いだ問題で、厚生労働省の麻薬取締部が21日、名古屋にある店舗にも立ち入り検査しました。店のオーナーが実態を語りました。 21日、厚生労働省の麻薬取締部が立ち入り検査に入ったのは、大阪市にある大麻グミを販売する会社の製造工場です。
20日にはこの会社の本社でも立ち入り検査が行われ、大麻由来の成分に似せた合成化合物「HHCH」を使用したグミが見つかり、製造・販売の停止命令が出されました。
21日の立ち入り検査では、グミの在庫などを確認したということです。そこには会社の代表の姿もありました。
大麻グミを巡っては厚生労働省が22日、大麻由来の成分に似せた合成化合物・HHCHを「指定薬物」に正式に指定しました。これで10日後の12月2日から所持や流通、医療目的などを除く使用が禁止されます。 厚労省の麻薬取締部は札幌市や沖縄県那覇市など、大麻グミを販売する全国各地の店舗に立ち入り検査に入り、グミやクッキーなどを回収。検査は、名古屋市中区の店舗でも行われました。
立ち入り検査があった21日夜、店のオーナーが取材に応じました。オーナーの打田さん:「いきなり7人くらい大人が入って来て、強めの口調で『調べさせていただくよ』と言われたので、かなり驚きました。とりあえずここを全部見て、今ある商品をすべてチェックしてみたいな」
立ち入り検査では、店にあった大麻グミと同じ成分を含むクッキーなど7製品13点を回収されたといいます。麻薬取締部は回収した製品の検査結果を通知するまでの間、店に販売を停止するよう命令を出しました。
オーナーの打田さん:「切なすぎますね、いきなり来て全部商品がなくなってしまうのは。お店としても困りますし。商品が売れなくなるんだったら、もうちょっと前からセールして売りさばきたかったですね」 今回、大麻グミから検出された合成化合物・HHCHが規制対象となったことについてはオーナーは「いたちごっこ」の繰り返しと話します。オーナーの打田さん:「結局、成分が規制されてしまっても、また新たな成分が出てくる『いたちごっこ』が繰り返されてしまうだけかなと」
厚生労働省は、一部の成分を変えて法の網をかいくぐる「いたちごっこ状態」を解決するため、今後類似する化合物についても、包括的に指定することを検討しています。