東急初の「連節バス」なぜ導入? 妙に“電車っぽい”デザイン 山の住宅街で試運転中

車体が2台つながった連節バスの試運転を東急バスが行っています。実現すれば横浜市内では2例目。その詳細を東急バス社長が明かしました。車両デザインは、“電車そっくり”です。
東急バスが初となる連節バスの導入に向け、2023年11月現在、試運転を重ねています。11月20日に開催された東急グループ記者懇親会にて、東急バスの古川 卓社長が経緯などを説明しました。
東急初の「連節バス」なぜ導入? 妙に“電車っぽい”デザイン …の画像はこちら >>東急バス初の連節バス。田園都市線の2020形電車を彷彿させる(画像:東急バス)。
連節バスは車体が2台つながった全長約18mもの車両で、輸送力増強の手段として注目されていますが、首都圏ではまだまだ一部でしか見かけない存在。東急バスはこれをまず東急田園都市線 青葉台駅(横浜市青葉区)に発着する「日体大線」に導入します。最近は現地で試運転を行っている様子が、SNSなどで話題になっていました。
日本体育大学の横浜・健志台キャンパスと青葉台駅を結ぶ日体大線(青61系統)は利用者が多く、朝には4~5分間隔の高頻度で運行しています。一方、青葉台駅から日体大よりも奥(北)へ向かう系統は利用者が少なく赤字。運行距離も長く減便・廃止の可能性もあることから、横浜市とともに路線再編のあり方を探ってきました。
結果、日体大線を「幹線」と位置付け、定員が大型路線バスの約1.8倍となる連節バスを投入することになりました。他方、日体大よりも奥へ向かう系統は、日体大での乗り継ぎを基本とする運行形態に変更。青葉台駅発着より運行距離も短くなり、従来よりも増便が可能になるといいます。
古川社長によると、日体大には2024年4月に新学部が開設され、さらに需要が増える見込みだそう。しかし、乗務員不足が深刻化し、頻発運行の乗務員確保が課題になっていました。そこで連節バスを投入することにより、少ない人員で輸送力を確保しようという取り組みです。
連節バスは計6台を導入予定。従来車両を置き換える形で増備しており、2024年4月にプレ運行を開始する予定です。実現すれば、横浜市内では市バスの「ベイサイドブルー」に次ぐ連節バス導入となります。これに伴い、走行ルートでバスベイ(停車スペース)や自転車通行環境などの道路整備も行われます。
ちなみに、連節バスの車両デザインは田園都市線の新型車両である2020系電車に似せていますが、これは社員がデザインしているそうです。