ごみ処理CO2でイチゴ栽培 イオンアグリなど実証実験 全国自治体への展開狙う

イオングループの農業法人「イオンアグリ創造」(千葉市美浜区)などは、自治体のごみ処理施設で発生する二酸化炭素(CO2)をイチゴ栽培に活用する実証実験を始めたと発表した。ごみ処理プラント大手「タクマ」(兵庫県)が装置とシステムを開発し、東京・町田市が実験場所と資源を提供。CO2を施設園芸に利用する技術を実用化し、全国展開を目指す。
イオン広報によると、町田市のごみ焼却施設から出るCO2を活用して、施設の敷地内に設置したビニールハウスでイチゴを栽培。タクマがCO2の供給装置などを提供し、イオン側は生産指導などを行う。来年2月ごろには収穫できる見込みだ。
ごみ処理施設は地方自治体にとってCO2の主要な排出源とされる。脱炭素社会の実現に向け、同施設で発生するCO2への対策が課題。同実証実験により、ごみ処理施設から発生する電力と熱に加え、CO2も植物の育成促進に有効活用する「トリジェネレーションシステム」の将来的な実用化を目指す。実験は2026年度まで続ける予定。
イオン広報は「施設園芸を通じた地域循環共生圏の構築につなげたい」と説明。生産した農作物を地域で消費することで「環境と社会、経済の課題を同時に解決し、ビジネスの創出や生活の質を高める一助となれば」としている。