夢は世界一のプレーヤー 日本ジュニアテニス選手権優勝の白子中1年・金田歩積さん(12) 【ひと模様】

8月に東京都内で開催された「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権」の12歳以下男子シングルスに出場し、並み居る強敵に打ち勝って全国チャンピオンに輝いた。世界で活躍する錦織圭選手も少年時代に優勝したという大会で、12月には米フロリダに渡り、年長のクラスの優勝者とともに錦織選手と練習する機会を得た。「本当にうれしい。全てを吸収したい」と期待に胸を膨らませている。
テニスの町として知られる白子町で生まれ育ち、小学生になった時に地元の「アポロコーストテニスクラブ」に入った。何か運動を始めようと思って、身近にあったのがテニスだった。
小学3年生の頃から本格的に打ち込み、今はほぼ毎日コートへ。平日は放課後に約3時間、休日は約4時間の練習をこなす日々だ。相手の弱点を探って攻め、長丁場の試合を組み立てるのがテニスの醍醐味(だいごみ)という。
関東大会を制して挑んだ今回の選手権は、自身にとって初の全国大会。64人が出場し、1日1試合、計6試合を戦い抜いて快挙を成し遂げた。大会中は調子が悪くても帰宅後の練習で立て直し、小学生時代に負けた相手にも雪辱。「めちゃくちゃうれしかった。やっと実感が湧いてきた」。はにかみながら全国制覇の手応えを語る。
この選手権に優勝したことで、9月には元プロテニス選手の松岡修造さんの指導も受けた。「ちょっと怖かったけど、メンタル面の話をしてくれて勉強になった」と成長の糧にする。
「世界に羽ばたいて」と白子町の石井和芳町長も激励する期待の新星。目指すのは、世界の四大大会を何度も制覇しているノバク・ジョコビッチ選手を超える存在だ。将来の夢を問われ「世界一のプレーヤーです」とはっきり答えた。